2013 Fiscal Year Annual Research Report
母子の遊びツールが子どもの社会的認知発達に及ぼす効果の行動的および脳機能的検討
Project/Area Number |
24830062
|
Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
佐藤 鮎美 京都橘大学, 健康科学部, 助教 (90638181)
|
Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
|
Keywords | デジタル絵本 / 紙絵本 / 共同注意 / 行動観察 / NIRS / 感情理解 |
Research Abstract |
平成25年度は,第一に平成24年度に実施した異なる絵本の形態が乳児期における子どもの共同注意発達に及ぼす効果を検討した研究の解析・まとめを行った。 行動観察による母子の共同注意を検討したところ,音無のデジタル絵本より従来型の紙絵本で,従来型の紙絵本よりも音有のデジタル絵本で,相手の顔を参照せずに対象(絵本)を見つめる時間が長い傾向にあった。さらに,音有のデジタル絵本では,従来型の紙絵本に比べて,相手の顔を参照しながら応答する共同注意が生じにくい傾向にあった。これらの傾向は,音有デジタル絵本場面では母親が子どもを注視する時間が少なくなっていることからもたらされている可能性が示唆された。よって,絵本アプリケーションに音が付加され母親の注意がデバイスそのものに向けられることで,母子間に相手の意図を参照しながら進められるコミュニケーションが減少する可能性が見出された。デジタル絵本を使用する際の乳児と母親のやりとりを社会認知的側面から詳しく検討した研究はこれまでになく,本研究は今後の乳幼児向けデジタルアプリケーション作成における指針作成の一助となる研究である。 また,異なるデバイスを使用した絵本による読み聞かせを受けている最中の乳児の脳活動を測定したNIRS実験の結果からは,BGM付きのデジタル絵本を読み聞かせたとき乳児の前頭前野の賦活が強くなる傾向が示された。この結果については,更なる解析を加えて国際学会発表および論文化する予定である。 第二に,異なる絵本の形態が幼児期における子どもの他者感情理解発達に及ぼす効果を検討する実験の準備および実施を行った。他者感情理解発達に及ぼす効果についての研究は現在も遂行中であり,参加者が一定の人数に到達した段階でデータをまとめ公表する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(12 results)