2012 Fiscal Year Annual Research Report
保育者の悩み・学習ニーズの変容と同僚性を基礎とした研修に関する実証的研究
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24830104
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Research Institution | Otani University |
Principal Investigator |
黒澤 祐介 大谷大学, 文学部, 助教 (40633631)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | 保育者 / カンファレンス / 同僚性 |
Research Abstract |
平成24年度は、平成24年9月と平成25年2月に、保育所26ヶ所の約400名の正職保育士(除く管理職)に対しアンケート調査を実施した。年齢、経験年数等の保育者の属性/保育に対する満足度/保育での悩み/同僚性、相談、サポート状況/各種研修の状況/職場環境、等について、計138項目を主に4件法で調査した。 アンケート用紙は各保育所で保育者に配布してもらい、回収については個別の郵送にて行った。調査対象保育士には個人IDを付与した上での追跡調査であることを説明し、同意の上で2年間を通じ追跡調査を行っている。 また、保育カンファレンス研究では7つの保育所に計14回のカンファレンスを実施した。 アンケート調査では、会議において管理職が指導的ではなく「発言に対して共感を示す」ほど保育者との関係も良いという分析結果が出た。一方、同僚保育士との関係の良さは、会議で「全員の発言権の確保」や「リーダーの意見のみが重視」されることと相関していた。これらの結果をふまえ、今後のカンファレンス研究では、管理職からの「共感」や保育者同士の「対等性」を重視することで、カンファレンスを通じて同僚性をどのように育むか実証的に解明する。 また、管理職・同僚保育士との関係性の良さに「勤務体制」や「研修体制」の良さが関連していることの意味を考察していく必要がある。自由記述では「時間外勤務が多く、わが子のことを丁寧に見られない」や「その日の体制の自分のところだけを見る職員も多い」などに意見があり、実際の事務作業量やシフト等の体制がどのようになっているのか、今後詳しく調査をすすめる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は、研究計画通りに2回のアンケート調査を実施できた。また、すでにここまでのデータの入力と分析も終わっている。分析結果については平成25年5月に日本保育学会で口頭発表の予定である。 カンファレンス研究については、7カ所にて2回ずつ、計14回実施し、会議録を蓄積するとともに、アンケート調査での結果を使用しての継続的な変化の調査準備が行えた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度も引き続きアンケート調査、カンファレンス研究を行う。アンケート調査は7月と1月の2回実施し、カンファレンス研究は5月より12月までのべ42回実施する。 アンケート調査、カンファレンス研究のデータ分析を適宜行い、本研究の完成にむけて研究を推進していく。
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