2012 Fiscal Year Annual Research Report
幸福度の順応メカニズムの解明:ブログ幸福度を用いたアプローチ
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24830112
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
山根 承子 近畿大学, 経済学部, 講師 (40633798)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | 幸福の経済学 / 主観的幸福度 |
Research Abstract |
ブログから抽出した幸福度を用いて、幸福度の順応という性質を解明する前に、ブログ幸福度の妥当性を確立する必要がある。具体的には、アンケートによって得られた主観的幸福度に対して内的妥当性を持つかどうかを確認する必要がある。そのため、24年度はwebアンケートを実施し、同一個人の中で両者が一致しているかどうかをみた。webアンケートはブログを定期的に執筆している1100名に10日間オンライン上でアンケートを行ったもので、「あなたは今日、どの程度幸せでしたか」という質問で従来の主観的幸福度を測定し、同時にその日に書かれたブログの内容をテキストマイニングすることで、両者の一致度を確認した。簡易的な分析の結果、ブログ幸福度はある程度の妥当性をもつことが示唆されているが、詳細な分析は25年度の課題としたい。当初の計画では「Live Journal」というブログサイトのムードアイコンを用いて妥当性を測定する予定だったが、さらに直接的にアンケートを用いて測定することにした。 また、24年度はブログからの幸福度抽出を応用し、自伝集(日本経済新聞「私の履歴書」)から幸福度を測定する試みを行った。私の履歴書は1956年から2004年に執筆されたもので、研究の目的に記した「イベントが起きた後でもイベント前のデータを収集できる」というブログ幸福度の利点を最大限に生かしたものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書通りではないものの、ブログ幸福度の順応メカニズムを解明するために、着実に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画は変更なく、ブログ幸福度を用いて幸福度の順応メカニズムを探る。 まず、24年度に実施したアンケートデータを分析し、ブログ幸福度の妥当性を立証する。そののちに、研究計画書に記したとおり、ニュースに対する幸福度の動きを分析して、①そのニュースによって、人々の幸福度がどの程度変化するか ②ニュース以前の水準に幸福度が戻るか ③以前の水準に戻るとしたら、戻るまでの時間はどの程度かかるか の3点を確認する。
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