2013 Fiscal Year Annual Research Report
幸福度の順応メカニズムの解明:ブログ幸福度を用いたアプローチ
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24830112
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
山根 承子 近畿大学, 経済学部, 講師 (40633798)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | 行動経済学 |
Research Abstract |
経済学では、所得の増加は効用の増加に直結すると考えており、そのような前提のもと作られた政策も多い。しかし、幸福度は「順応」することが知られており、例えば所得の増加の効果のうちの20%が2年後に慣れのため消えてしまうことが先行研究で示されている。人の幸福度が完全に順応するのであれば、所得を上昇させる経済政策は意味をなさなくなる。効果的な政策を打ち立てるためにも、幸福度の順応メカニズムを探る必要がある。 幸福度の順応メカニズムを実証的に研究するには、同一個人の時系列データが必要である。従来の測定方法(「あなたは今日、どの程度幸せでしたか。「非常に幸福」を10点、「非常に不幸」を0点としてお答えください。」)で、幸福度の時系列データを得るには、多大な金銭的コストがかかる。 そこで本研究課題では、新しい幸福度指標として「ブログ幸福度」を提案した。ブログ幸福度とは、ウェブログをテキストマイニングすることで幸福度を測定しようとするものである。具体的には、ある日のブログ記事からプラスの感情語とマイナスの感情語の数を抽出し、その差をその日のブログ幸福度とする。ブログ幸福度はアンケートを行うコストをかけずに大量の日次データが入手可能であるという利点をもつ。ブログ幸福度は幸福度の順応メカニズムを探るのに非常に適した特性をもっているといえる。 本研究課題では、ブログ幸福度の妥当性を示すために、ブログを書く習慣のある人1100人にwebアンケートを行い、従来の方法による幸福度を10日間にわたって測定した。アンケートでは属性情報に加え、各人のブログのURLを収集している。このURLを用いて調査当日の記事をマイニングし、それぞれの人のブログ幸福度を算出した。従来の方法で測定した幸福度と、このブログ幸福度の推移を比較することにより、ブログ幸福度の妥当性を確認している。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)