2013 Fiscal Year Annual Research Report
フランスの中等教育段階における教育評価論の展開―教師主体の学習評価―
Project/Area Number |
24830113
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
細尾 萌子 近畿大学, 教職教育部, 講師 (70633808)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | 国際情報交換 / フランス / 教育評価 / 中等教育 / 指導と評価の一体化 |
Research Abstract |
本研究では、1930年代から現在までのフランスの教育評価論が中等教育段階の学習評価の制度・実践にどのような影響を与え、指導の改善にいかに寄与してきたのかを明らかにすることで、質の高い学力を育む教師主体の実践的な学習評価システムへの示唆を得ることを目的としている。 そのために、2013年9月1日から9月10日まで、フランスでフィールド調査を行った。パリ西ナンテール大学のラヴァル教授とレンヌ大学のメルル教授、ピカルディー大学行政学・政治学研究センター研究員のクレマン氏にインタビューを行った。コンピテンシーという新しい学力観に基づく評価が、教養教育の伝統をもつ中等教育において、学習の断片化を招いていることが明らかとなった。コンピテンシーとは、特定の状況の課題を解決するために、知識や能力、態度を総合する力をさす。そして文献調査から、評価が実践改善に結びつくよう、中等教員が教育制度に働きかけていることもわかった。この成果は、2014年5月に、『近畿大学教育論叢』第26巻第1号に投稿する。 また、講師として招聘されている広島県庄原市口南小学校において、国語のパフォーマンス評価のアクション・リサーチを行った。パフォーマンス評価とは、現実的な場面で知識や技能をうまく活用できるかを、子どものパフォーマンスをもとに評価する方法である。2013年5月と6月、11月に、学習指導案検討や授業参観、授業協議会に参加し、評価課題のパフォーマンス課題や評価基準のルーブリックに関する指導助言を行った。さらに、作品の相互評価によって子どもにルーブリックを作らせることで、評価基準を子どもに内面化させる研修も行った。この実践研究を通して、評価の目的について学校全体で共通理解し、質の高い学力を見取る評価課題・基準を教師自身が作成して授業に活かすことが、評価を実践改善につなげるために重要であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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