2013 Fiscal Year Annual Research Report
難治性小児がん患児の家族に対する心理社会的支援システムの開発
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24830126
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
吉田 沙蘭 独立行政法人国立がん研究センター, がん対策情報センター, 心理療法士 (70636331)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | コミュニケーション / 小児がん / 心理社会的支援 |
Research Abstract |
小児がん医療において患児の親は、心理的・社会的・身体的にさまざまな困難を経験しており、特に患児の終末 期には親の負担が増大することが指摘されている。しかし我が国において小児がん患児の親が経験する課題を取 り扱った研究は少なく、支援体制も整っていない。そこで研究代表者は、小児がん患児の遺族および小児がん治 療に従事する医療者を対象とした調査を重ね、患児の終末期に家族が経験する困難、ならびに医療者に期待され る支援を探索してきた。その結果、終末期の病状に関するコミュニケーション(End-of-Life discussion; 以下EOLD)の支援に対するニーズが高いことが明らかとなった。しかし、EOLDについては成人がん患者の領域において、医療者の負担感が大きいことが報告されており、支援体制を提案するにあたり、小児科医の抱えるEOLDに対するバリアを把握することが必要であると考えられた。 そこで当該年度には、小児がん治療に従事する医療者を対象とした面接調査、ならびに小児科医を対象とした質問紙調査を実施し、EOLDの実施状況およびEOLDに対する価値観について明らかにした。その結果、現在日本においては、高校生の場合には9割以上、小学校低学年の場合でも4割の医師が「EOLDを行うべき」と回答した一方で、患児とのEOLDはほとんど行われていないことが示された。また、「EOLDを行った後に生じると予想される患児の不安や恐怖に対応できる」という自信がある医師は、EOLDを積極的に行う傾向にあることが示された。一方、「伝えなくても最期まで良い時間を過ごせる」や「親との関係を良好に保つことが重要」などの価値観をもつ医師ほど、EOLDを実施しない傾向にあることも明らかとなった。また今後EOLDを普及させるために、EOLDを行った後の患児や家族をフォローする体制を整備することが必要であることが指摘された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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