2013 Fiscal Year Annual Research Report
スケール極限に関わる離散幾何解析とその他分野への応用
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24840002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田中 亮吉 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 助教 (80629759)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | 大域解析学 |
Research Abstract |
今年度は、主に3 次元可解 Lie 群上のランダムウォークについて継続して研究を進めた。 これは Montpellier 大学の Jeremie Brieussel 氏との共同研究である。我々は Sol の有限台の確率測度をステップ分布に持つランダムウォークの境界挙動を考察した。特に、Poisson 境界という有界調和関数の豊富さを測る測度論的境界に関わる問題である。この場合、境界には調和測度と呼ばれる、ランダムウォークの到達分布として与えらる測度が定まるが、この測度が、境界上の 自然な測度とどういう関係にあるか、を調べるの は基本的な問題である。上記の群に対しては、境界は実数直線で与えられることが、Kaimanovich の 90 年代の研究により、すでに知られていた。我々は、有限台の確率測度から定まるランダムウォーク では、調和測度が、実数直線上の Lebesgue 測度について、絶対連続になる場合と、特異連続になる場 合とがあることを証明した。なお、SL(2, R) でも同様の問題を立てることが可能であるが、その場合 は Bourgain (2012) などの研究により、同様の現象が知られている。Kaimanovich-Le Prince (2011) は SL(2, R) では有限台を持つランダムウォークから定まる調和測度は常に特異である (この場合境界 は旗多様体、特異とはその上の smooth Lebesgue 測度のクラスについて、である) という予想を立てていた。SL(2, R) の結果は、この予想の反例であり、我々の結果は Sol においても、類似の予想が成立し ないことを示している。(なお、写像類群ではこの予想は成立することが知られている (Gadre, 2014))。 また関連する解析的な問題についても研究を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)