2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24840025
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
馬 昭平 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 助教 (80633255)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | モジュライ空間 |
Research Abstract |
第一に、位数2の自己同型付きK3曲面のモジュライ空間の有理性問題に関する以前からの研究を継続して、2つの古典的な場合(平面6次曲線と2次曲面上の(4,4)次曲線)を除いたところまでモジュライの有理性を証明した。Dolgachev-金銅の論文から学んだ格子論の技術が、研究の進展に大きな役割を果たした。第二に、大橋久範氏と瀧真語氏との共同研究によって、位数3の自己同型付きK3曲面のモジュライ空間についても総計24個のうち2つを除いて有理性を証明した。その途上で、それらのK3曲面の基本理論を整備発展させた。特に混成分岐の概念を導入することで、それらのK3曲面の一般的にして効果的な三重被覆による構成方法を考案した。それを用いて、有理性を証明する途上で、モジュライの一般メンバーの標準的な構成法を見出だした。第三に、トリゴナル曲線のモジュライ空間の有理性を、未解決だった種数が4で割り切れる場合に証明した。これで全ての種数で有理性が確立された。証明ではSL(2)×SL(2)の古典的な共変式を利用した同変ベクトル束の構成が鍵となった。第四に、ゴナリティを1つ上げて、テトラゴナル曲線のモジュライ空間についても約半分の種数(12で割って余りが1,2,5,6,9,10となる場合)で有理性を証明した。その際はそれらの曲線が3次元スクロール多様体の完全交叉として得られるという事実を、モジュライの解析の出発点とした。また、研究の途上で、他の有理性問題にも適用可能なテクニック(グラスマン商空間に対する分解補題)を開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以前から取り組んでいた対合付きK3曲面やトリゴナル曲線のモジュライの有理性問題について、古典的な場合を除いて決着をつけることができたから。また、それらの研究を位数3の自己同型付きK3やテトラゴナル曲線へもある程度拡張することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
K3曲面のモジュライのみならず一般のIV型モジュラー多様体の双有理型を調べたい。その際は一般型を証明することも目標とする。例えば、任意の符号(2,n)の偶格子に対してE8格子を繰り返し直和していったときにその安定直交群から定まるモジュラー多様体が一般型であることを予想している。保型形式の構成とヒルツェブルフ-マンフォード体積の計算を組み合わせて研究したい。
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Research Products
(6 results)