2012 Fiscal Year Annual Research Report
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24840030
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
清水 理佳 広島大学, 理学(系)研究科(研究院), その他 (40638764)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | 結び目図式 / 結び目射影図 / ひずみ多項式 / 領域交差交換 / 領域結び目解消数 / 半ひねりスプライス / 既約度 / 平面曲線 |
Research Abstract |
結び目図式のひずみ多項式の改良については、結び目不変量への改良までは及ばなかったが、様々な多項式としての性質や応用が見つかった。特に、研究代表者以外にもひずみ多項式に興味を持ち関連研究が豊かに行われ、それらについて行った議論は大変有意義なものであり、今後の研究につながるものである。 もうひとつのテーマである、領域結び目解消数の評価について、今年度はその基礎となる局所変形である領域交差交換について多くの考察を行った。特に、共同研究により、空間グラフの図式における領域交差交換について調べて興味深い結果を得た。 ひずみ多項式、領域交差交換の両方において関連研究を行っている研究者を中国から1週間ほど招待し、セミナーで講演していただき、また研究打ち合わせを行った。そこで得られたことは大変有意義な結果であり、今後共同研究に発展する可能性もある。 領域交差交換の研究の応用として、新しいスイッチングシステムを共同で発明し、特許出願した。また、領域交差交換を応用してできたゲーム、領域選択ゲームの幼児教育への応用についての共同研究も開始した。 結び目図式の形そのものを表す結び目射影図に関する研究も行った。半ひねりスプライスを用いて結び目射影図がどれぐらい既約であるかを表す既約度を導入し、既約度における性質を調べ、既約度の評価を与えた。また、いくつかのタイプの結び目射影図の既約度を決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ひずみ多項式そのものの性質についての研究は進んだが、結び目不変量への改良、および応用は予定よりもやや遅れがちである。領域結び目解消数の加法性についてもあまり進まなかった。しかし、結び目図式の基本となる結び目射影図の研究は大変進んだ。既約性が大変重要であり、それを計る既約度の導入、またそれの評価ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、ひずみ多項式の結び目不変量への改良に特に力を入れて取り組む。そのために絡み目図式に対してもひずみ多項式を考える。さらにinvertible 性の判定等にも使えるような応用を考える。 空間グラフの図式における領域交差交換に関する共同研究を進める。また、領域結び目解消数のさらに良い評価を見つける。 既約度のより良い評価にも取り組む。特に、既約度は常に3以下であるという研究代表者の予想を示したい。また既約度のフライプ不変性を示し結び目不変量への応用も試みる。
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