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2012 Fiscal Year Annual Research Report

台風予測精度向上のための最適観測手法の構築

Research Project

Project/Area Number 24840045
Research InstitutionJapan, Meteorological Research Institute

Principal Investigator

國井 勝  気象庁気象研究所, 予報研究部, 研究官 (70370327)

Project Period (FY) 2012-08-31 – 2014-03-31
Keywordsデータ同化 / アンサンブルカルマンフィルタ / 台風 / 観測インパクト / 適応観測
Research Abstract

アンサンブル同化手法を基にした観測データのインパクト推定手法を高解像度数値予報モデルに適用し,台風周辺の観測データによるインパクト推定を行うため,以下の開発を行った.
1. 台風の強度予測に対する観測データインパクト評価手法の適性を明らかにするため,高解像度数値予報モデルにアンサンブルデータ同化を基にした観測データのインパクト推定手法を適用した.ここでは台風の強度予測に対するインパクトを定量的に評価するため,数値モデルの水平解像度は20kmとし,実験システムはKunii et al.(2012)で用いられた局所アンサンブル変換カルマンフィルタ(LETKF)を基にしたシステムを使用した.実験システムは新規購入したアンサンブルデータ同化開発装置上に構築した.
2. 台風の強度予測に適した予報誤差の定式化について検討を行った.主にエネルギーノルムに関して検証を行い,比較的簡易な運動エネルギーノルムで台風の予報誤差を評価することとした.また,評価時間を長くすると非線形性の卓越や局所化手法のため,観測インパクトが正しく推定できないことが示された.
3. 台風周辺の感度領域を調べるため,2008年と2010年に北西太平洋海域を対象にして実施された国際的な集中観測実験(T-PARC2008, ITOP2010)における特別観測データの観測インパクトの評価を行った.まず,実験期間内の観測データを取得し,LETKFによる解析・予報サイクルを実行した.次に特別観測データが存在する期間においてアンサンブル予報を実行し,観測インパクトの計算に必要なデータを準備した.上記2で得られた結果を基に,特別観測データの観測インパクト評価を行った.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究開始から半年の期間であったが,アンサンブルデータ同化システムに観測インパクト推定手法を適用した実験システムを構築し,予報誤差の定式化について検討,台風周辺の観測データのインパクト推定まで行った.これにより,当初計画の目標は達成している.また,研究協力者とも適宜,意見交換を行い,効率的に研究を進めることができた.

Strategy for Future Research Activity

平成24年度に得られた結果を基に,風の強度・構造変化に対する初期場の影響を明らかにし,台風のライフステージに合わせた最適観測手法の提案を行うことを目標とする.
1. インパクト実験の結果を台風のライフサイクル別に分類し,各発達ステージにおいて効果的な観測領域や観測レベル,観測要素などについて統計的検証を行う.検証を通じ,台風の強度・構造変化に対する初期場の影響を明らかにすることで,最適観測手法の提案を行う.
2. 上記1で得られた結果を基に,2008年と2010年の国際観測実験で観測されたデータに対して,本研究で示される最適観測手法を用いた場合の実証試験を行う.具体的には通常の実験と,予報誤差軽減に効果的だと推定される領域・観測要素に応じて観測データの除去を行った実験を行い,両者の比較を通じて本研究で提案される最適観測手法の利用可能性について調査を行う.

URL: 

Published: 2014-07-24  

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