2012 Fiscal Year Annual Research Report
ポストシンセシス法を用いた新規水酸化物イオン伝導体の開発
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24850013
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
貞清 正彰 九州大学, カー ボンニュートラル・エネルギー国際研究所, 助教 (40635885)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | イオン伝導体 / 配位高分子 |
Research Abstract |
本研究は、水酸化物イオン伝導性を有する配位高分子を新規に合成し、そのイオン伝導性を明らかにすることを目的とし、24年度は、水酸化物イオンを含有する配位高分子の合成法を様々に検討を行った。ポストシンセシス法を用いて、熱に安定な既存の配位高分子を用いて反応のスクリーニングを行ったところ、細孔中にアルキルアンモニウム水酸化物塩を含有した新規配位高分子の合成に成功した。粉末X線回折測定の結果から、反応後も骨格構造が安定に保持されており、細孔の内部にイオンが吸着していることがわかった。熱重量分析・赤外吸収スペクトル・核磁気共鳴などから、内部に原料であるアルキルアンモニウムが吸着されていることを明らかにした。今後は、それらのイオン伝導特性を明らかにし、また、その他のカチオンを用いることにより、多様な誘導体の合成を行うことを予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
24年度は、ポストシンセシス法を用いて、アルキルアンモニウム水酸化物塩が細孔内に固定化された新規配位高分子の合成に成功し、それらの構造解析・同定にも成功したことから、申請時の年次目標を概ね達成することができたといえる。また、アルキルアンモニウムという汎用な物質を用いていることから、今後多くの類似化合物の合成が可能になると見込まれ、イオン伝導性の精密制御に対して優れた系の構築に成功したといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は新たに合成された配位高分子のイオン伝導性を明らかにすることによって、水酸化物イオンの細孔中でのダイナミクスを解明する。イオン伝導度は交流インピーダンス測定により評価を行い、必要に応じて、固体NMRスペクトルおよび中性子散乱測定を行う。
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