2012 Fiscal Year Annual Research Report
並列ディジタルホログラフィに基づく高精度3次元動画像実時間計測システムの開発
Project/Area Number |
24860016
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
角江 崇 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40634580)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | ホログラフィ / ディジタルホログラフィ / 光計測 / 3次元計測 / 動画像計測 |
Research Abstract |
動く物体の3次元動画像計測を可能にする並列ディジタルホログラフィシステムに,GPUに汎用的な数値計算を行わせるGPGPU(General Purpose GPU)による高速像再生処理システムを導入し,高精度3次元動画像実時間計測システムを実現することが本研究の目的である.これまで,並列ディジタルホログラフィにおける像再生計算処理の高速化に関しては未報告であった.そこで本研究では,システム実現の第一歩として,市販のGPUを利用して並列ディジタルホログラフィにおける像再生処理計算の高速化を試みた.像再生処理計算において,ホログラムの各画素における複素振幅の計算は,補間処理などの計算負荷の小さい前処理を除けば,画素ごとに独立に実行できる.そこで本研究では,前処理に比べて計算負荷の大きかった位相シフト計算処理を,GPGPUを利用して複数画素を同時に計算可能にした.これにより,従来に比べて約12倍の高速化に成功した.また,さらに計算負荷の大きかった回折計算処理は,NVIDIA社が提供するGPGPU環境(CUDA 5)に付属するCUFFTライブラリを利用して高速化に成功した.こちらは,従来の約12倍の高速化を実現できた.以上の成果を,国内学会[角江他, OPJ2012 講演予稿集, 24pP9, 2012]及び国際会議[T. Kakue, et al., Proceedings of IDW/AD'12, 3Dp-27, 2012.]にて報告した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の研究実施計画に挙げていた,並列ディジタルホログラフィにおける像再生処理計算の高速化を実現できた.一方,並列ディジタルホログラフィによる高精度計測を実現するために必要な,不要像成分完全除去アルゴリズムの実装及び計算処理の高速化については,従来の数倍程度に高速化可能であることは確認できたが,目標とする計算時間までは実現できていない.これは,探索アルゴリズムの実装が遅れたからであるが,探索アルゴリズムを実装できれば高速化可能であるという目処は立っているため,研究課題はおおむね順調に進展できていると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
並列ディジタルホログラフィによる高精度計測を実現するために必要な,不要像完全除去アルゴリズムにおける計算処理の高速化を達成し,実時間計測を可能にするシステム構築を目指す.現在は,GPGPUを利用したシステム構築を目指しているが,GPGPUとは別に,FPGA(Field-Programmable Gate Array)ボードを利用したシステム構築も試みる.申請者の研究グループにおける先行研究にて,FPGAボードを用いたホログラフィ用専用計算機が開発されている.この専用計算機は,主にリアルタイム3次元ディスプレイを実現するためのものであるが,この専用計算機の開発における知見を利用して,専用計算機を並列ディジタルホログラフィへと発展させることにより,像再生計算処理の高速化の実現を目指す.GPGPUとFPGAボード,それぞれで試作したシステムの性能を比較した上で,本研究課題にて目指す高精度3次元動画像実時間計測システムにはどちらがより適しているのかを考察する. 次に,試作システムの性能を実験的に評価する.動く物体を対象にして,試作システムで高精度3次元動画像実時間計測が可能であることを確かめる.また,物体の動きや外部環境の変化に応じて,得られる再生像の画質や計測精度がどのように影響を受けるかを検証する.
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Research Products
(3 results)