2013 Fiscal Year Annual Research Report
酸化物メソクリスタル膜の作製とその透明導電膜への応用
Project/Area Number |
24860031
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
我田 元 信州大学, 工学部, 助教 (40633722)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | 酸化亜鉛 / 水溶液法 / スピンスプレー法 / 透明導電膜 |
Research Abstract |
透明導電膜はフラットパネルディスプレイ(FPD),タッチパネル,太陽電池などの電極として必要不可欠な材料である。本研究では,低環境負荷・高速成膜・低コストを達成する新しい成膜技術により,スズドープ酸化インジウム(ITO)の代替材料開発を念頭に,酸化物系結晶薄膜を低温成膜することを目標とした。 本年度は特にスピンスプレー法による酸化亜鉛成膜に注力した。スピンスプレー法とは,100℃以下に加熱した基板に“金属塩を含む水溶液”と“pH調整用の水溶液”を同時に噴霧し,酸化物膜を作製する手法である。シード層なしで,密着性の良い結晶化した酸化物膜を作製することが可能である。これにより.シード層が不可避な通常の水溶液低温成膜と比べてきわめて大きな差別化を図ることができる。H25年度は酸化亜鉛の適切な成膜条件を探索した。また,クエン酸三ナトリウムおよび水溶性高分子であるpoly(p-styrenesulfonic) acidを使用して酸化亜鉛成膜を行った。スピンスプレー実験条件のうち,水溶液流量,テーブル回転数を制御し,成膜を試みた。その結果,適切な流量と回転数を選択することで,作製した酸化亜鉛膜の透過率を向上させることができた。特に流量3.5L・h-1,回転数180 rpmでは可視光透過率70%以上を達成することができた。また,紫外光照射後の比抵抗を四探針抵抗測定によって測定すると5×10-3 Ω・cmとなった。次に,poly(p-styrenesulfonic) acidを使用した場合,クエン酸三ナトリウムと同様に酸化亜鉛結晶形状の変化が見られた。しかし,透過率はクエン酸ナトリウム使用時に比べ大きくは増加せず,また,紫外光照射後の比抵抗値もクエン酸ナトリウム使用時よりも減少しなかった。この結果より,吸着有機物や膜構造が紫外光照射時の比抵抗変化に大きく影響していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)