2013 Fiscal Year Annual Research Report
エマルション内架橋プロセスを導入したラズベリー型ナノゲル集合体の構築
Project/Area Number |
24860036
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田原 義朗 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 研究員 (30638383)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | ナノゲル / 多糖 / エマルション / ドラッグデリバリー |
Research Abstract |
本研究の最大の成果は、ラズベリー型ナノゲル集合体(別名:ナノゲル架橋マイクロスフェア)の調製条件を確立できたことである。ラズベリー型ナノゲル集合体は、①架橋反応、②エマルション調製方法、③精製方法の全てを適切に行うことで初めて調製できることが分かった。①本研究では架橋反応はマイケル付加反応と、光重合反応の検討を行った。エマルションの安定性の観点から、当初は反応速度の速い光重合反応が好ましいと思われたが、実際にはエマルションの安定性は高く、マイケル付加反応中にエマルションが壊れることは無かったため、結果的にマイケル付加反応を用いた方がより単分散なラズベリー型ナノゲル集合体を調製できることが分かった。②エマルションの調製ではホモジナイザー法、膜乳化法、マイクロ流路法を検討した。確かにホモジナイザー法では厳密に単分散なエマルションを得ることは難しかったが、膜乳化法やマイクロ流路法ではそもそも水相が高粘度のWater-in-Oil型エマルションを調製することが難しかったため、これらの方法に大差はなく、ホモジナイザー法が簡便で好ましい事が分かった。③本研究では精製方法の確立に最も尽力した。他の研究者によって報告されていた既存方法では油相と界面活性剤を除去することができないこと分かった。そこで油相と界面活性剤を適切に選択し、凍結乾燥とショ糖密度遠心分離を用いることによって、ラズベリー型ナノゲル集合体を得ることに成功した。このようなエマルションの調製条件の確立は、本研究で最初に生み出された手順であり、既存の乳化重合をはじめとする高分子学の方法というより、むしろ純粋な化学もしくは化学工学(化学プロセス)的な観点からエマルション調製の原点に返り、最適な調製条件を設計することに成功した。このことから日本化学会や化学工学にて、開発条件に重点をおいて成果発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)