2013 Fiscal Year Annual Research Report
非軸対称エンクロージャ内における回転ディスクによる複雑流れの大規模渦構造の解明
Project/Area Number |
24860041
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
白井 克明 神戸大学, 自然科学系先端融合研究環, 助教 (00634916)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | 流体工学 / 流れの可視化 / ハードディスクドライブ / モデル実験 / 屈折率整合 / 複雑流れ / せん断 / 乱流 |
Research Abstract |
本研究では、ハードディスクドライブ(HDD)を念頭に、積層回転ディスクによって駆動される非軸対称エンクロージャ内の複雑流れ挙動を調べた。HDDは高速回転ディスク上を僅かに浮上する磁気ヘッドを介してデータを読み書きする。内蔵データの破損に繋がるヘッドのクラッシュは、主としてディスクの高速回転およびHDD内の複雑形状に伴う内部空気の非定常運動による流体関連振動と深く関わるとみられる。しかしながら、そのメカニズムは未だ解明されておらず、本研究では流体関連振動を誘引する複雑流れの解明を目指した。 実機HDD製品の多くに共通した幾何学的特徴を抽出し、アームおよびシュラウド開口部を設けた非軸対称モデルを構築した。構築モデルを基に主要部品が全て透明な実験装置を製作し、作動流体の屈折率をモデル材料に合わせた屈折率整合を施して可視化実験を行った。それにより、固体・流体の物理的性質を保持したまま光学的に透明な状態で反射や屈折の影響を受けることなく流れの観察が可能となった。実験条件としてレイノルズ数、アーム挿入角度、レーザー照射面高さを変化させて実験し、目視および可視化画像、粒子ストリーク画像による定量評価を通じて考察し、以下の知見を得た。 アーム挿入角が深くなるにつれ、ディスク領域の流れはアームにより大幅に偏向され、シュラウド開口領域に侵入し、両領域間の運動量交換が活発となる。ディスク間中央面およびディスク・アーム間中央面での周方向速度差から、アーム挿入時にディスク間領域で二次流れの形成が推測され、挿入角が深いとその構造はディスク間中央面に非対称となり得る。アーム挿入角が深いほどアーム後流域で強いせん断の生成が予想され、そのせん断はディスク平行・垂直面の両方から生じる。そのため、アーム後流のディスク間の流れは複雑な三次元性を有し、この流れ構造が流体関連振動を引き起こす要因となる可能性が示唆される。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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