2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24860044
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大西 孝 岡山大学, 自然科学研究科, 助教 (90630830)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | 円筒研削 / 長尺 / 振れ止め / 形状精度 / 研削抵抗 |
Research Abstract |
本研究の初年度である平成24年度は,当初の予定に従い研究に必要な研削盤の整備と計測装置の設置,研削試験による各種測定装置の機能の確認を実施した. 研削盤の整備においては,研削中に工作物へ作用する力,すなわち研削抵抗を測定するために,工作物を支持する部分にひずみゲージを設置し,研削中の加工抵抗を測定できることを確認した.研削抵抗の測定により研削過程における工作物の弾性変形量を算出し,加工中の形状精度の悪化を理論的に求めることができる.そのため,研削抵抗は本研究において非常に重要な測定項目である.また,研削中に工作物の加工量(寸法生成量)を測定するために,定寸ゲージと呼ばれる工作物の直径を連続的に測定可能な測定装置とアンプを購入し,研削盤に設置した. また,実験に必要な長尺の工作物を作成した.工作物の加工においては,特に工作物の軸の左右にある支持部の形状精度に留意し,両側からセンタと呼ばれる部材により支持されて工作物が回転される際に,偏心を極力抑制するように努めた. さらに,研削前後に工作物の形状を測定し,実際にどれほど工作物が加工されたかを評価するために,レーザ変位計を購入し,研削試験の前後に形状測定を行った.その結果,作成した工作物において加工量を測定することができた.特に工作物の直径が細く,剛性が低い場合は,砥石の切込み量に対して実際に加工された量が半分程度にとどまり,長尺の工作物においては工作物自身の弾性変形により加工量が減少していることが確認された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の目標であった,加工機の整備及び各種計測機の設置と試研削による各種機器の動作確認を実施し,本研究は順調に進展している.また,円筒研削盤メーカの技術者の方々とも学会や展示会なので積極的に交流を図り,本研究に対するご助言をいただいている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の上半期は,研削条件を種々に変化させ,振れ止めを設置していない状態で研削後の工作物の形状を測定し,研削抵抗が工作物の形状精度へ与える影響を定量的に評価する.また,研削抵抗の測定においては,ひずみゲージを設置している工作物の支持部の剛性を考慮し,さらに精度よく研削抵抗を推定できる手法を検討する. 平成25年度の下半期は,上半期に得られた知見を活かして,実際に振れ止めを研削盤に設置し,適切な振れ止めの設置方法の指針を得る.
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