2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24860044
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大西 孝 岡山大学, 自然科学研究科, 助教 (90630830)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | 円筒トラバース研削 / 長尺工作物 / 形状精度 / 研削抵抗 |
Research Abstract |
本年度は,2013年度に整備した研究装置を用いて,研削中の長尺工作物の詳細な寸法生成過程の解明を実施した.その結果,研削中に工作物に作用する力,すなわち研削抵抗により工作物が弾性変形し,その結果として形状誤差が生じることが確認された.特に,砥石の回転に対する法線方向の研削抵抗である背分力を測定し,工作物を梁に見立てて背分力による弾性変形量を算出すると,研削後の形状誤差とほぼ一致することがわかった.したがって,背分力を測定することで,工作物の形状誤差を推定する手法を確立した. 次に寸法精度の向上を図った.実験用に用意した長尺の工作物を用いて,砥石を工作物の軸方向に移動させる速度,すなわちトラバース速度を変えて複数の研削条件において研削実験を行い,それぞれの条件において研削抵抗と形状誤差の推移を測定した.トラバース速度を低下させると,研削抵抗も減少し,工作物中央部での弾性変形量も小さくなることから,形状誤差は抑制される.しかしながら,工作物の端部と中央部では,同じ力が作用した場合でも中央部の方が弾性変形しやすいため,弾性変形の生じにくい工作物の端部ではトラバース速度を早く,弾性変形の生じやすい中央部ではトラバース速度を遅くすることで,工作物の弾性変形量を研削場所の移動に関係なく一定に保ち,工作物の形状精度を向上できるのではないかと考え,これまでの実験で得られた研削抵抗から,弾性変形量が一定となるようなトラバース速度の制御を考案し,実験的に効果を検証した.工作物の弾性変形量が一定となるようにトラバース速度を4段階に変更して研削を実施したところ,工作物中央部の形状誤差は0.5μm以下に抑制できた.従来の一定のトラバース速度で研削した場合は,工作物の中央部で2μm程度の形状誤差(中央部が凸形状になる)が発生していたが,本研究で提案する手法により形状誤差を大幅に抑制することができた.
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)