2012 Fiscal Year Annual Research Report
学校統廃合が環境教育における学校・地域の環境資源の利活用に与える影響に関する研究
Project/Area Number |
24860051
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
渡辺 真季 秋田県立大学, システム科学技術学部, 助教 (50636876)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | 学校統廃合 / 環境教育 / 地域資源 / 学校と地域の連携 / 廃校施設 |
Research Abstract |
平成24年度の調査研究は,次の<1>~<4>のとおり進めた。 <1>資料・情報の収集と事例の視察:既往論文や報告書など各種資料を基に情報を収集・整理した。また,廃校施設活用の先進的事例(新潟県越後妻有)の視察を行った。これらは,近年の動向把握,研究計画の具体的な見通し,後に実施する聞き取り調査,アンケート調査の調査票作成に重要な基盤づくりとなった。なお,調査対象地は,秋田県(<2>)と栃木県(<3>)とした。 <2>秋田県調査:秋田県庁への聞き取り調査,潟上市および大仙市の行政・小学校への聞き取り調査,近年学校統廃合がなされた小学校に対するアンケート調査を行った。行政への聞き取り調査からは,県内,市内の動向や特徴を捉えること,各地域の事例を収集すること,調査対象校の選定に必要な情報を入手することができた。小学校への聞き取り調査からは,学校統廃合,廃校施設活用,環境教育活動の実態について概要を捉えること,統合前の各校の資料等を入手する方法などを知ることができ,今後,調査研究を進める上で重要な情報を得ることができた。アンケート調査では各校の学校統廃合や環境教育活動に関する概要の把握と,統廃合前の情報の有無について確認できた。 <3>栃木県調査:基本的に<2>秋田県調査と同様とした。但し,栃木県については研究代表者らによる研究蓄積があるため,今年度はアンケート調査のみ実施した。栃木調査は,秋田県との比較を可能にし,より研究内容を深化させることができる。 <4>GIS解析:GISを用いて,秋田県と栃木県の小学校について,立地と分布状況の可視化および学校周辺の土地利用状況の数値化を行った。これにより,情報を視覚的に把握しやすくなった。また,<2>,<3>で得られた定性的データと土地利用状況に関する定量的データによる分析が可能となり,より進展した考察が可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査を進めたところ,学校統廃合前の各小学校の資料や情報の収集が困難な状態にあることが明らかになった。そのため,小学校の資料収集や聞き取り調査が予定よりも若干遅れている。しかしながら,計画を見直し,(1)廃校の増加と廃校施設の未活用が深刻な問題となっている秋田県に焦点をあてるべきと判断し,調査対象地から横浜市を外した,②平成25年度に実施予定のGISによる作業を前倒しで実施した,この二つの対応により計画を修正したため,全体としてはおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後,研究を進める上での課題は,学校統廃合前の各校の資料や情報の収集が難しいことである。この対策として,入手の可能性を含めて収集すべき情報を見直して焦点を絞ること,実態把握および分析・考察する内容は当初の計画よりも詳細かつ深まりをもたせることとし,これら軌道修正に配慮することで対応する。なお,その他の点については,当初の計画どおり進める予定である。
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Research Products
(1 results)