2012 Fiscal Year Annual Research Report
ねじりを含む組合せ断面力を受けるRC部材のAE法による破壊機構解明と合理的な補強
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24860066
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
川崎 佑磨 立命館大学, 理工学部, 助教 (90633222)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | ねじりモーメント / 組合せ断面力 / アコースティック・エミッション法 / 補修・補強 / 鉄筋コンクリート |
Research Abstract |
当該年度では、「曲げ・せん断」、「純ねじり」、「曲げ・せん断・ねじり」の組合せ断面力がそれぞれ作用する場合のRC(鉄筋コンクリート)部材のAE(アコースティック・エミッション)法による基礎的研究を行った。それぞれの荷重下での損傷度および破壊メカニズムを三次元位置標定により把握し、ねじりが組合さることでRC部材のどの位置が劣化するか解明を行った。その結果、「純ねじり」のみの載荷の場合、ねじりモーメントが作用する断面の外側に多くのAE発生源が同定された。つまり、「純ねじり」のみの場合では、供試体内部に損傷は進展していない可能性が示された。一方、」、「曲げ・せん断・ねじり」の組合せ断面力が作用する場合では、「曲げ・せん断」時に加えて「ねじり」による影響も入っているため、破壊進展が「曲げ・せん断」とは異なる結果が得られた。つまり、「ねじり」による影響が増加していくと、損傷は外側へ移行し、内部の損傷は比較的軽微なものになることが認められた。 今後は、AE法による損傷度および三次元位置標定で、RC部材の損傷箇所・損傷範囲をさらに明らかとし、その後、補修・補強方法について補修材・補強材の選定や施工方法について決定する。補修・補強材を施した供試体に対して同様の実験を行い、その効果を内部から明らかとしていく。また、当該年度は、「曲げ・せん断」、「純ねじり」、「曲げ・せん断・ねじり」を1体ずつしか実験できなかったため、得られた結果の妥当性を検討するために、適用した供試体数を増やす目的で当該年度と同様の実験も並行して行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度に明らかとしたい事項を得ることができた。しかし、報告書にも記載の通り、適用した供試体数が少ないため、結果の妥当性を検討することができなかった。しかし、補修・補強を行うべき箇所を判断できる結果は得られたので、おおむね順調に進展していると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
上述のように、適用供試体数が少ないため、今後はサンプル数の増加を目的として、当該年度と同様の実験を多く行うことも目的とする。 また、当初の予定である補修・補強後の効果確認も行い、「曲げ・せん断・ねじり」の組合せ断面力を受けるRC部材内部の破壊性状・破壊進展メカニズムを把握し、被災後の合理的な補修・補強や設計上の十分な対処に向けて推進する。
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