2012 Fiscal Year Annual Research Report
中高エネルギー重粒子の核破砕片生成反応断面積の測定とエネルギー依存性評価
Project/Area Number |
24860072
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
小川 達彦 独立行政法人日本原子力研究開発機構, その他部局等, 研究員 (20632847)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | フラグメント / 断面積 / 放射線輸送計算コード / 核反応モデル |
Research Abstract |
まず「1、測定システムの開発」であるが、本事業の予算で購入したBGOシンチレータと、当研究チーム備品、放射線医学総合研究所の備品を組み合わせて測定システムを完成し、これにより実際に測定結果が得ることができた。 「2、NatPb(C,x)反応の測定」では、30-400MeV/uのエネルギー領域でPb(C,x)Na-24、Pb(C,x)Sc-46など約23核種の生成断面積を得ることに成功した。 「3、C-12(C-Nat,x)反応の測定」については、50-400MeV/uのエネルギー領域でC-12(C-Nat,x)B-10、C-12(C-Nat,x)Be-7など7核種の生成断面積を得ることに成功した。ただし、測定時間の制限からアクセプタンス角0.71°でしか測定できておらず、翌年度に更に広い立体角で測定することが必要となる。 「4、シミュレーションコード開発へのフィードバック」については、「2、NatPb(C,x)反応の測定」の結果を放射線輸送計算コードPHITSの計算値と比較して、PHITSの大幅な過小評価を確認した。その原因が、PHITSにマルチフラグメンテーション反応過程が含まれていないせいであることを突き止め、PHITSに統計マルチフラグメンテーションモデルを実装した。これはPHITSバージョン2.50以降(現在最新としてVer. 2.52が公開されている)で利用可能である。 成果公開についても、投稿論文二報、国際学会講演二回など積極的に進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度の目標、「1、測定システムの開発」「2、NatPb(C,x)反応の測定」「3、12C(NatC,x)反応の測定」は、1と2が完了し、3も精度こそ低いものの測定を実施できた。さらに、次年度に予定していた「4、シミュレーションコード開発へのフィードバック」を半分完了したため、予定以上に進捗しているといえる。 まず「1、測定システムの開発」であるが、本予算で購入したBGOシンチレータと、当研究チーム備品や、放射線医学総合研究所の備品を組み合わせてシステムを完成し、これにより実際に測定結果が得ることができた。次年度にも引き続き使うことができる。 「2、NatPb(C,x)反応の測定」では、30-400MeV/uのエネルギー領域でPb(C,x)Na-24、Pb(C,x)Sc-46など約23核種の生成断面積が得られ、この測定結果は投稿論文やExforデータベースで2012年度中に公開された。 「3、12C(NatC,x)反応の測定」については、50-400MeV/uのエネルギー領域で12C(NatC,x)B-10、12C(NatC,x)Be-7など7核種の生成断面積を得ることに成功した。 「4、シミュレーションコード開発へのフィードバック」については、放射線輸送計算コードPHITSへ統計マルチフラグメンテーションモデルを実装し、重い原子核のフラグメンテーション反応に関して再現性が低下する問題をクリアした。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は当初の予定通り「12C(Al,x), 12C(Al2O3,x)反応の測定」を行い、「12C(NatC,x)反応の測定」についても前年度から引き継いで実施する予定である。ただし、前年度の実験で判明したこととして、フラグメントの角度分布は想定より大きく、計算コードの検証にも有効である可能性があることから、今年度は断面積のエネルギー依存性だけでなく、放出角度の依存性も測る予定である。そのため、当初の予定よりも実験時間を多くとり、データの拡充により注力する。 また、シミュレーションコード開発へのフィードバックとして、世界的に利用される放射線輸送計算コードPHITSコードやFLUKAコードにフェルミブレイクアップモデルやコアレッセンスモデルを実装することを予定している。これは前年度の統計マルチフラグメンテーションモデル実装と同様の方法で行うこととし、計算コードによる再現性の向上を図れると考えている。 断面積の測定やモデル開発に関しては、逐次投稿論文として発表を行い、同時に国際学会等での発表を通じて結果の積極的な公開を今後も続ける。
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