2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24870013
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田村 康 名古屋大学, 高等研究院(理), 助教 (50631876)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | ミトコンドリア / タンパク質輸送 / Upsタンパク質 / 出芽酵母 |
Research Abstract |
ミトコンドリア膜間部タンパク質であるUpsタンパク質は、ミトコンドリア外膜に存在するレセプターTom20, Tom22によって認識され外膜を透過する。Tom20, Tom22はミトコンドリアマトリクス局在化シグナルであるプレ配列のレセプターであり、プレ配列を持たないUpsタンパク質がなぜTom20, Tom22に認識されるのかはわかっていない。本研究ではまず、断片化したUpsタンパク質と、パッセンジャータンパク質として良く用いられるDHFR(ジヒドロ葉酸還元酵素)の融合タンパク質を試験管内で合成し、単離ミトコンドリアに取り込まれるかを指標にしてUpsタンパク質のミトコンドリア局在化シグナルの同定を試みた。その結果、Upsタンパク質のN末端アミノ酸約90残基をDHFRに融合したタンパク質が全くミトコンドリアに取り込まれないのに対し、N末端45残基を欠損したUpsタンパク質とDHFRとの融合タンパク質はミトコンドリアに取り込まれた。この結果はUpsタンパク質の内部にミトコンドリア局在化シグナルが埋め込まれている事を示唆している。さらにこのN末端45残基を欠損したUpsタンパク質とDHFRとの融合タンパク質は、Upsタンパク質全長がミトコンドリアの膜電位に非依存的にミトコンドリアに取り込まれるのに対し、膜電位に依存してミトコンドリアに輸送された。一般にN末端にプレ配列を有するタンパク質が、ミトコンドリアの膜電位に依存してミトコンドリアへと取り込まれる事から、Upsタンパク質はその内部にプレ配列様のシグナル配列を埋め込む形で有し、Tom20, Tom22と言ったレセプタータンパク質の認識を受けているのかもしれない。このようなメカニズムで輸送されるタンパク質はこれまでに見つかっておらず、全く新規のミトコンドリアタンパク質の局在化機構解明につながる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Reason
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(3 results)