2013 Fiscal Year Annual Research Report
植物におけるコンデンシンを含むDNA損傷応答モデルの確立
Project/Area Number |
24870026
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
坂本 卓也 東京理科大学, 理工学部, ポストドクトラル研究員 (40637691)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | DNA損傷 / コンデンシン / オーロラキナーゼ / シロイヌナズナ |
Research Abstract |
タンパク質複合体Condensin II (Cnd II)は、動物や酵母においては染色体凝縮や乖離の他、DNA複製、転写、損傷修復において重要な役割を果たすことが知られているが、植物においてはその機能は殆ど知られていない。興味深いことに、Cnd IIの欠損は動物では致死性であるのに対し、シロイヌナズナではそうではない。このことは、動物と植物でCnd IIに機能差異がある可能性を示唆する。これまでの申請者の解析から、シロイヌナズナのCnd IIがDNA損傷応答に機能することは明らかとなっている。そこで本研究では、DNA損傷応答におけるシロイヌナズナCnd IIの作用機序の解明を目指した。 染色体の高度な凝集は、DNA損傷に対する物理的防御となることが知られている。染色体凝集の指標となるヒストン修飾状態の定量を行ったところ、Cnd II変異株では染色体が弛緩している傾向が認められた。また、染色体上のセントロメア、5SrDNA及び45SrDNA領域を可視化し、セントロメアと各rDNA領域間の距離を求めたところ、Cnd II変異株では各rDNA領域がセントロメアから離れていることが明らかとなった。これらの結果は、染色体の広範囲に渡る弛緩を示唆する。一方、γ線照射によるDNA損傷誘導後のDNA損傷修復応答の速度は、野生型株でもCnd II変異株でも差は認められなかった。以上から、シロイヌナズナのCnd IIは、動物などで知られるDNA損傷修復よりも、寧ろDNA損傷に対する染色体の強度維持に機能していると考えられた。 また、Cnd IIのオーロラキナーゼ(AUR)によるリン酸化が示唆されており、解析の結果Cnd IIのサブユニットCAP-H2に少なくとも2カ所のリン酸化サイトが存在することが明らかとなった。このリン酸化のDNA損傷応答時のCnd II機能における意義を解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)