2013 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルスサテライトRNAが引き起こす黄化病徴に関わる分子メカニズムの解明
Project/Area Number |
24880005
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
志村 華子 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (20507230)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | ウイルス / サテライトRNA / RNAサイレンシング / 病徴誘導 |
Research Abstract |
キュウリモザイクウイルス(CMV)に寄生する低分子RNA(Y-sat)が感染したタバコで生じる特異的黄化病徴はY-sat由来のsiRNAがタバコのクロロフィル合成関連遺伝子(ChlI)に対してRNAサイレンシングを誘導するためであることが分かっていたが、黄化誘導に関わる詳細な分子メカニズムは不明である。本研究ではRNAサイレンシングを構成する重要酵素DCLsおよびRDRに着目し、それらがY-satのsiRNA生成と黄化誘導にどのように関与するのかを解析した。 DCL2またはDCL4に対してウイルス誘導型ジーンサイレンシングを行った個体ではY-sat感染後の黄化病徴の出現が遅延したことから、DCL2とDCL4は黄化誘導に重要であることが示された。またRDR6のサイレンシングベクターと欠失変異体を用いた実験では、RDR6発現が最も低い状態であったRDR6サイレンシングベクター接種RDR6欠失変異体においてCMVとY-sat蓄積量の著しい増加がみられ、RDR6を発現抑制してない個体よりも強い黄化病徴が生じた。このことからRDR6は黄化誘導に間接的に影響するものの必須要素ではないことが分かった。Y-satのsiRNA生成量の解析では、DCL4サイレンシング個体でY-satの21nt siRNAが減少しており、Y-satからの21nt siRNA生成にDCL4が関わることを確認した。また、ChlIへの相補配列をもつY-satのsiRNA蓄積量と黄化病徴の程度に正の相関があることを示した。さらにChlIのin vitro切断実験では、Y-sat由来のsiRNAをもつAGO1がChlIを切断することに加え、DCL4-DRB4免疫沈降画分とY-satの共存培養でもChlIが切断されることを確認し、Y-satとChlIの相補的結合はAGO以外にDCLによっても認識される可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(15 results)