2013 Fiscal Year Annual Research Report
精巣上体における精子の選択的分子獲得機構に関する研究
Project/Area Number |
24880010
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
浅野 敦之 筑波大学, 生命環境系, 助教 (10630981)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2015-03-31
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Keywords | 精子 / 精巣上体 / 受精 / エクソゾーム / 膜ラフト / GM1 |
Outline of Annual Research Achievements |
最近までの研究で、精子の精巣上体成熟は、精巣上体上皮細胞から分泌された機能性タンパク質と会合するエクソゾームが、膜ラフトを足場として精子と膜融合することによることが示唆されている。しかし、現在までの知見は非生理的条件下で行われた体外培養試験によるものが多い。そこで今年度はマウス精巣上体を使って上皮細胞によるエクソゾーム分泌の特性解明に取り組むと共に、精子とエクソゾームの膜融合が精巣上体のどの部位で起こっているか検討した。 まず、膜ラフトに特異的に存在するGM1のマーカーを用いて、凍結精巣上体組織においてエクソゾームの局在を共焦点レーザー顕微鏡で観察した。その結果、エクソゾームは精巣上体頭部の一区画に集中的に存在していることが分かった。また興味深いことにその周辺区画においてはエクソゾームを含む特定細胞種が存在していることも分かった。共焦点レーザー顕微鏡像の解析の結果、エクソゾームを豊富に含む特定細胞は上皮細胞のうち分泌型として知られるクリアー細胞であることが推察された。そこでクリアー細胞特異的に発現するV-ATPaseB1およびa4サブユニットの局在とエクソゾームの局在を比較した。その結果、エクソゾームを豊富に含む特定細胞がクリアー細胞であることが分かった。 精子とエクソゾームが精巣上体のどの部位で膜融合を起こすのか調べるため、精巣上体頭部、体部および尾部から回収した精子におけるGM1量を比較した。その結果、GM1量は精巣上体頭部で最も多く、以後体部、尾部に掛けて減少することが分かった。このことからエクソゾームと精子の膜融合は、精巣上体頭部で主に起こっている可能性が示唆された。 本研究の結果を踏まえ、今後は精巣上体成熟期間中にエクソゾームを介して精子が獲得するタンパク質分子の機能的役割を調べると共に、マウス精巣上体上皮細胞の培養手法を確立することで体外実験系の構築に取り組む。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)