2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24880017
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松尾 美幸 名古屋大学, 生命農学研究科, 助教 (70631597)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | 経年変化 / 熱処理 / 物性 / 古材 |
Research Abstract |
本研究の目的は、経年および熱処理による木材の材質変化メカニズムの全容を解明することである.そのために,常温で経年した木材(歴史的建造物由来古材)と高温で熱処理した木材を試料として用い,物理的・化学的・組織学的手法により両者を評価・比較することによってメカニズムの解明を試みる. 本年度は,放射性炭素年代測定を行い材形成年を明らかにした歴史的建造物由来のケヤキ古材に関して,各種材質の測定を行った.年代測定の結果,材形成後200年から500年経年した材であることがわかった.経年に伴い,比強度,破壊に要するエネルギー,明度などが有意に減少し,平衡含水率は増加する傾向にあった.密度,結晶化度,比ヤング率は変化の傾向が見られなかった.熱処理に伴う材質変化と比較すると,色,比強度および破壊に要するエネルギーの変化について同様の傾向であった. 今後,試料数を増やすとともに,各材質についての反応速度論的解析および微細構造変化,化学成分変化を調べる予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね計画通り進んでいる.ただし,計画では放射方向の曲げ試験を行う予定であったが,試験片のサイズが大変小さいため,現在保有している装置では正しく測定することが不可能であった.本研究課題で用いる試験片サイズに適した力学試験法を,既存の熱機械分析装置を工夫することで検討中である.また,上述の試験後の試験片を使って行う予定であった電子顕微鏡観察についても,上述の試験が終了していないため行っていない.
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Strategy for Future Research Activity |
小さな試験片での曲げ試験法の解決およびその後の電子顕微鏡観察を早急に行い,当初の研究計画通り進めたい.
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Research Products
(3 results)