2012 Fiscal Year Annual Research Report
いもち病菌非病原力遺伝子の多重転座は抵抗性遺伝子持続性の指標となるか
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24880024
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中馬 いづみ 神戸大学, 自然科学系先端融合研究環重点研究部, 助教 (90628926)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | いもち病菌 / 非病原力遺伝子 / 染色体 |
Research Abstract |
昨年度は、以下の2項目に関しての成果が得られた。 (1) MTを起こさない非病原力遺伝子AVR-Piztの変異機構 抵抗性遺伝子Piz-t品種を侵す菌株(以下変異菌)を入手し、これらにおけるAVR-Pizt変異様式を調査した。農業生物資源ジーンバンクにおいて登録されているいもち病菌のうち1974年から2000年にかけて本州および沖縄で分離された変異菌約10菌株および、宮城大学実験圃場において2009年に観察された変異菌を入手し、解析を行った。その結果、これらの菌株はすべてAVR-Piztホモログを保有しており、変異は遺伝子のコード領域あるいはプロモーター領域への転移因子の挿入、あるいは1塩基置換によるアミノ酸置換が原因であることが判明した。これらのうちいずれの変異菌においてもAVR-Piztの欠失は認められなかった。欠失を起こさない本遺伝子がMTを起こさないという事実は、MTが欠失と再獲得の結果起こるという仮説と矛盾しておらず、本遺伝子の変異頻度が他の非病原力遺伝子より低い可能性があると考えられた。今後は、各種非病原力遺伝子の変異頻度の比較を行い、本研究を完了させる予定である。 (2) 新規非病原力遺伝子の探索と、いもち病菌の系統学的位置づけの解析 いもち病菌非病原力遺伝子と抵抗性遺伝子のさらなる組み合わせを探索し、イネいもち病菌(非病原力遺伝子)ーイネ品種(抵抗性遺伝子)の関係からいもち病菌ーイネ科植物の関係へと本研究課題を発展させるため、PBY3/PBY4-Rmo2、PWT3-Rmg6(RWT3)、PWT4-RWT4の新規遺伝子組み合わせについてmap based cloningを進めている。この関係は将来的にはいもち病菌以外の系へ適用することを目標としているため、その準備としていもち病菌Pyricularia属が属するマグナポルテ科まで広げた系統解析をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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