2012 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内膜癌におけるラミニン-5切断を標的にした薬剤とバイオマーカーの開発
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24890019
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山下 泰恒 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70596717)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | 癌 |
Research Abstract |
ラミニン-5(α3β3γ2)は、α3(190kDa)、β3(145kDa)、γ2(155kDa)鎖からなる上皮組織の主要な基底膜成分で、癌浸潤、転移に関与する。また、ラミニン-5α3鎖に存在するLG4-5領域は正常組織でなく、様々な癌組織に特異的に非常に蓄積されていることが報告されている。 本年度は、II型膜貫通型セリンプロテアーゼによりラミニン-5から遊離するα3鎖LG4-5領域を検出するためLG4領域に対する特異的モノクローナル抗体の作製を行った。組み換えα3鎖LG4領域を抗原として作製されたハイブリドーマの上清を用いてラミニン-5と組み換えα3鎖LG4領域に対してELIZA、ウエスタンブロット解析法によりスクリーニングを行った。その結果、LG4-5領域を含むラミニン-5(190kDa)を特異的に認識する抗体HQ4を得ることができた。 ラミニン-5α3鎖のC末端に存在する球状ドメイン(LG1-LG5)は、LG3とLG4領域の間に未知のプロテアーゼで切断されるリンカー部位を持っており、細胞外に存在するセリンプロテアーゼで切断されることが示唆されている。そこで、II型膜貫通型セリンプロテアーゼ組み換え細胞外領域を用いたラミニン-5切断実験を行い、このプロテアーゼによりラミニン-5本体からLG4-5領が遊離するかを上記で作製した抗体HQ4を用いたウエスタンブロット解析法により検討した。その結果、II型膜貫通型セリンプロテアーゼ(ヘプシン)組み換え細胞外領域によるラミニン-5切断によりLG4-5領域の遊離が顕著に増大し、それはII型膜貫通型セリンプロテアーゼ阻害剤であるKD1の添加により特異的に抑制された。この結果は、II型膜貫通型セリンプロテアーゼがラミニン-5からLG4-5領域を遊離するプロテアーゼであることを示唆した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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