2013 Fiscal Year Annual Research Report
赤白血病モデルにおける白血病幹細胞形成・維持機構の解明
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24890046
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
片岡 圭亮 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (90631383)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | 急性骨髄性白血病 / 白血病幹細胞 / 赤白血病 / p53 / JAK2 |
Research Abstract |
JAK2 V617F 変異遺伝子を導入したp53 ノックアウトマウスの骨髄細胞を移植して得られた赤白血病モデルにおける白血病幹細胞分画を明らかにするために、赤白血病モデルマウスの骨髄細胞を用いて表面マーカーによる細胞分離及び連続骨髄移植を行い、白血病幹 細胞分画を同定する実験を行った。前年度までの研究により、Mac-1 陽性細胞は2次移植により白血病を発症させることはできないが、CD71 陽性細胞またはMac-1 陰性・CD71陰性細胞はレシピエントマウスに白血病を引き起こすことができることを明らかにした。さらに、CD71陽性細胞よりもMac-1 陰性・CD71 陰性細胞は未分化であり、骨髄増殖性腫瘍を発症後にCD71陽性の赤白血病に移行することを明らかにした。これらの結果は、この赤白血病モデルにおいて少なくとも2種類の白血病幹細胞が存在し、その性質が異なることを示している。今年度はこの研究を進めるために、さらに白血病幹細胞分画を細分化することを試みた。その結果、CD71陽性細胞分画においては、Ter119陰性細胞に白血病幹細胞が濃縮されていること、Mac-1 陰性・CD71 陰性分画においては、Lin陰性Sca-1陽性c-kit陽性分画に白血病幹細胞が濃縮されていることを明らかにした。さらに、これらの白血病幹細胞分画と治療抵抗性の関係を調べるために、JAK2V617F陽性骨髄増殖性腫瘍に対して有効とされているJAK2阻害剤の効果を検証した。その結果、CD71陽性細胞はJAK2阻害剤が有効であったが、Mac-1 陰性・CD71 陰性細胞はJAK2阻害剤に耐性を示した。この結果は、2種類の異なる白血病幹細胞分画において薬剤感受性が異なり、より未分化なMac-1 陰性・CD71 陰性細胞が治療抵抗性に関与していると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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