2012 Fiscal Year Annual Research Report
細胞周期イメージングによる放射線治療効果に影響を与える腫瘍内微小環境因子の解明
Project/Area Number |
24890059
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
戒田 篤志 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (40632097)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | 放射線治療 / 細胞周期 / リアルタイムイメージング / Fucci / G2アレスト / 腫瘍内微小環境 |
Research Abstract |
腫瘍細胞における細胞周期動態は、放射線感受性を左右する因子であることが知られているが、in vivoにおけるその詳細については不明な点が多い。本研究では、細胞周期リアルタイムイメージング技術であるFucciを応用することにより、放射線照射後における固形腫瘍内の細胞周期動態を解明し、放射線増感戦略への有益な知見を得ることを目的としている。 まずFucci導入腫瘍細胞由来の皮下移植腫瘍切片より、蛍光分布を観察したところ、赤色および緑色は概ね局在なく分布し、量的にはやや赤色優位であった。さらに、皮下移植腫瘍に対しX線10Gyを照射し、各時間後における皮下移植腫瘍の切片について観察すると、照射約48時間後にはほぼ全ての細胞が緑色となり、緑色優位な状態が約5日間持続することが判明した。また、放射線照射後の皮下移植腫瘍における蛍光変化を同一生体内においても解析したところ、切片での解析同様に緑色優位な状態が長期持続することが示された。放射線照射後の緑色遷延現象は、これまでの研究結果より、G2アレストを反映したものと考えられることから、放射線照射後の腫瘍切片にてG2期マーカーであるCyclin B1に対する免疫染色を行ったところ、ほとんどの緑色細胞の細胞質において陽性を示すことから、緑色遷延現象はG2アレストを反映し、さらにin vivoでは放射線照射後、G2アレストが遷延することが明らかになった。 in vitroではX線10Gy照射後16時間程度でほとんどの細胞が緑色となり、24時間後にはアレストが解除されることから、本研究により得られた放射線照射後の固形腫瘍における細胞周期動態は、in vitroとは大きく異なることが示された。固形腫瘍には腫瘍内微小環境と呼ばれる特異な環境が存在することから、細胞周期動態と微小環境の関連は深いと考えられ、そのメカニズムの解明を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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