2012 Fiscal Year Annual Research Report
新規の機能水が細菌バイオフィルム及び宿主の免疫系に及ぼす効果の検討
Project/Area Number |
24890065
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
早雲 彩絵 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, その他 (60634128)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | オゾンナノバブル水 / 金属浸漬実験 |
Research Abstract |
歯周病は歯周病原細菌により引き起こされる慢性炎症性疾患であり、歯周治療の目的は細菌バイオフィルムを除去することである。近年、従来の機械的デブライドメントに加え、補助的療法として消毒剤を局所応用する試みが多数報告されている。我々は、オゾンの強力な殺菌能とナノバブルの長期保存性を併せ持つオゾンナノバブル水(NBW3)を歯周治療に応用することを目的に研究を行っている。これまでに、NBW3の歯周病原細菌に対する強力な殺菌能と口腔組織に対する高い安全性を確認し、実際に歯周治療の補助的療法としてNBW3を使用した際の臨床的・細菌学的効果についても報告した。 本年度は、NBW3が口腔内の歯科用金属材料に及ぼす影響を評価することを目的とし、浸漬実験を行った。歯科用金属材料として金合金、金銀パラジウム合金、Ag-Sn-Zn系合金、Ag-In-Zn系合金を各1種類ずつ選択し、実験に供した。20×10×1mmのアクリル板の一端に直径約3mmの孔をあけ、これをパターンとしてクリストバライト埋没材で埋没し、遠心鋳造法により各合金試料の鋳造を行った。鋳造した各合金の表面を#800耐水ペーパーで研磨後、超音波で洗浄し実験に使用した。100mLのガラス瓶に50mLの試験溶液(NBW3、0.9% NaCl、20ppm微酸性次亜塩素酸水)の入れ、これに合金試料をガラス棒で懸垂して全浸漬し、3日間37℃で保存した。浸漬前後の合金表面の色差と重量変化率について算出した。その結果、NBW3は口腔内の歯科用金属材料に大きな影響を及ぼさないことが示され、NBW3の口腔組織と口腔内の歯科用金属材料に対する影響を考慮すると、NBW3の口腔内への使用は、安全面から問題はないと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
金属の浸漬実験に関しては、予定どおり実験が終了し、学会報告まで行うことができた。今後、より詳細な解析を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
金属の浸漬実験に関して、金属表面性状の変化、溶出金属の解明等、より詳細な解析を行う予定である。また、従来の予定どおり、NBW3が細菌バイオフィルムに与える影響についても解析予定である。
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