2013 Fiscal Year Annual Research Report
プロフィラグリンC末端領域の機能解析:プロセシングにおける分子機構の解明
Project/Area Number |
24890082
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
坂部 純一 浜松医科大学, 医学部, 助教 (30631494)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | 蛋白のプロセシング / 表皮バリア機能 / フィラグリン |
Research Abstract |
本研究は、皮膚バリア機能において重要な役割を担うプロフィラグリンの成熟機構を解明し、C末端領域の機能を明らかにすることを目的とした。フィラグリンは、皮膚表皮顆粒層にて、プロフィラグリン(460 kDa)として作出される。プロフィラグリン中のリンカードメインが、酵素により分解されると、37 kDaのフィラグリンモノマー(FLG)が作出される。FLGは、ケラチン線維を凝集し、角化細胞の扁平化に寄与すると考えられている。さらに、FLGは、酵素により特異的な分解を受け、最終的に天然保湿因子(NMF)となる。しかし、NMFの基となるFLGの産生機序に関しては十分に検討されていない。そこで申請者らは、ヒトのプロフィラグリンのプロセシングに関与する酵素の同定を主に生化学的手法を用いて試みた。その結果、カリクレイン5(KLK5)というセリンプロテアーゼがプロフィラグリンのプロセシングに関与していることを同定した(Sakabe J et al., J Biol Chem. 2013.)。さらに、プロフィラグリンのC末端領域が欠損するヒトでは、FLGの産生が著しく低下することから、C末端領域がプロフィラグリンのプロセシングに及ぼす影響を検討した。まず、C末端領域を有するまたは欠損した蛋白を発現するベクターを構築し、哺乳類細胞に導入後、RT-PCR法およびWestern blot法によりmRNAや蛋白の発現を評価した。その結果、プロフィラグリンC末領域の突然変異は、RNAや蛋白発現に影響しないことを示すデータが得られた。このことより、C末端領域はプロフィラグリンのプロセシングに重要な機能を有すると考えられる。現在、C末端領域の機能をさらに詳細に検討している最中である。本研究で得られた結果は、アトピー性皮膚炎などの表皮バリア機能異常疾患の病態解明や治療法を開発する上で重要な知見であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)