2012 Fiscal Year Annual Research Report
摂食障害者脳における新規トレーサーを用いたPET研究:活性化ミクログリアの検討
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24890083
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
横倉 正倫 浜松医科大学, 医学部, 助教 (00529399)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | 精神医学 / PET / 摂食障害 |
Research Abstract |
摂食障害では脳内の免疫系の異常が考えられて、脳内免疫を担う活性化ミクログリアが本疾患に関与していることが示唆されている。しかし死後脳研究が殆ど行われていないため、脳内免疫の異常に関する理解は限定的である。近年ポジトロン断層撮影(PET)などを用いた分子画像技術によって摂食障害者の生体脳でのセロトニン受容体、ドパミン受容体の異常が報告されているが、脳内の活性化ミクログリアの報告は全く無い。 申請者らは従来の活性化ミクログリアマーカー([11C]PK11195)よりも高感度の新規マーカー([11C]DPA713)を開発できたことから、今まで捉えられなかった微かな脳内の活性化ミクログリアを評価できるようになった。 そこで本研究は若年期に発症する摂食障害者を対象に、高感度の活性化ミクログリアマーカーを用いて、発病早期の軽微な活性化ミクログリアの変化を調べることで、脳内免疫反応過程と症状形成の関係を検討して摂食障害における脳病態を明らかにすることを目的とした。 当該年度においては、先ず10名の健常男性(平均21.5歳)をリクルートして、新規マーカー([11C]DPA713)の測定方法として、動脈採血を伴う侵襲的な測定方法と無採血で簡便な測定方法と比較し、無採血による測定方法の妥当性を確認した。その上で摂食障害者3名に対して[11C]DPA713によるPET測定を行った。今後は更に患者数を増やして[11C]DPA713のPET測定を行い、活性化ミクログリアと精神症状および認知機能障害との関連を検討して、摂食障害における脳内の免疫反応と症状形成の関係を明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
まず最初に健常男性10名(平均21.5±2.2歳)をリクルートして、新規マーカー([11C]DPA713)の測定方法の検討を行った。結果、動脈採血を伴う侵襲的な測定方法と無採血で簡便な測定方法とを比較して、無採血による簡便な測定方法の妥当性を確認した。これによって簡便で安全に[11C]DPA713のPET測定が行える環境を整えた。その上で摂食障害者3名に対して[11C]DPA713によるPET測定を行った。更に患者のリクルートに向けた対象者のリスト化を終えて、連絡を取る準備を進めている。現在までに計13名に対して[11C]DPA713のPET測定が安全に終了している事から、今後は更に測定者数を増やして[11C]DPA713による活性化ミクログリアの評価を行っていく。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に簡便で安全な測定環境を整えられたことで、合計13名に対して[11C]DPA713のPET測定が終了できた。次年度はそれ以上の測定者数が得られると予想される。目標数に達した段階で解析を行って、摂食障害者の生体脳での活性化ミクログリアを詳細に解析し、同時に測定した精神症状や認知機能障害との関係を評価して、摂食障害者における脳病態を明らかにする。更に先行研究において指摘されているセロトニン1A受容体の密度上昇や、セロトニン2A受容体の密度低下、ドパミンDA2受容体の密度上昇といった受容体の異常と活性化ミクログリアとの関係を検討することで、脳内の免疫異常が受容体異常に与える影響を検討する。
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Research Products
(1 results)