2013 Fiscal Year Annual Research Report
胎生期DEHP曝露による仔の栄養状態と海馬・視床下部に及ぼす影響
Project/Area Number |
24890085
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
林 由美 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30632707)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | 胎生期曝露 / 低栄養 / 脳 |
Research Abstract |
胎生期DEHP曝露による低栄養環境下が成長後の摂食行動や記憶・学習機能に与える影響について解析を行った。 摂食調節に関与している因子として、cAMP responsive element binding protein 1 (CREB1)とmTORのmRNA発現量を測定した。これらはDEHP曝露による影響を受けなかったが、高脂肪食摂取によりCERB1発現量が有意に減少した。 記憶・学習行動への影響として、海馬のactivating transcription factor 4、glutamate receptor(NMDA)1、2A、2B、dopamine receptor D (Drd) 1A、2、nerve growth factor (Ngf)、brain derived neurotrophic factor (Bdnf)、glutamate decarboxylase(Gad) 1、2、gamma-aminobutyric acid (GABA) A receptor, subunit alpha(Gabra) 1、2 、3、5、6 のmRNA発現量、野生型マウスの海馬グルタミン酸およびGABA濃度を測定した。記憶・学習機能に関わる遺伝子発現量は、DEHP曝露により、ヒト型普通食群でNMDA2Aの増加が見られたのみであった。一方、高脂肪食摂取はNMDA1、NMDA2B、Drd1Aを減少させた。NMDA2Aおよび2Bは発現のバランスが重要であると考えられるため、その比をみたところ、野生型普通食群においてDEHP曝露によって減少した。また、グルタミン酸とGABA関連遺伝子発現量は、DEHP曝露によりGAD1、GABRA6のみで変化した。一方、高脂肪食摂取ではGAD1、2、GABRA1、2、5、6で影響が見られており、高脂肪食による影響の方が大きいと考えられる。野生型マウスのグルタミン酸およびGABA濃度に有意な差は見られなかった。 以上の結果から、記憶・学習行動への影響はDEHP曝露による影響よりも高脂肪食摂取による影響を強く受けていると考えられた。しかしながら、NMDA2A/NMDA2Bは野生型マウスにおいてDEHP曝露で減少していることから、何らかの影響を与えているのかもしれない。また、摂食行動促進メカニズムについては本研究では明らかになっておらず、更なる検討が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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