2012 Fiscal Year Annual Research Report
薬毒物動態学的アプローチによる合法ハーブの毒性解明
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24890088
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
池村 真弓 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30515490)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | 合法ハーブ / 乱用薬物 / 分取薄層クロマトグラフ法 / JWH-251 |
Research Abstract |
合法ハーブ吸引時における成分の体内動態と毒性相関を解明することを目的として、本年度は合法ハーブの成分分析に取り組んだ。合法ハーブはインターネットサイトを数種類比較し、同一メーカーから薬効が異なるとされる2製品を入手した。まず、予備試験としてラット(Wistar系、雄、9週齢)にそれぞれ合法ハーブの煙を暴露させたところ、精神高揚作用を謳った製品では精神抑制作用がみられ、精神抑制作用を謳った製品では精神高揚作用が認められた。次に、製品の3袋を用いて、ジエチルエーテル、メタノール抽出液を作成した。それぞれの抽出液について、オープンカラムクロマトグラム法および分取薄層クロマトグラム法を用いて成分を単離精製したのち、ガスクロマトグラフ質量分析計にて成分特定を試みた。その結果合成カンナビノイドの一種であり、合法ハーブから検出が報告されているJWH-251、JWH-203、JWH-250と思われる成分が検出され、現在、核磁気共鳴装置(NMR:三重大学共同利用機器)を用いて同定を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
合法ハーブの入手について、流通品を入手するためインターネットを使用した通信販売による入手を試みたが、製品が送付されないことや、販売業者との連絡がとれなくなるなど、製品の入手に関してトラブルが続き研究へのとりかかりが遅くなったため。 研究開始後の研究進行具合に関しては、おおむね順調に進んでいると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に完了予定であった合法ハーブの成分単離、精製、同定について早急に実験を行い、ガスクロマトグラフ質量分析計および液体クロマトグラフ質量分析計による成分一斉分析条件を確立する。平成25年度より、法医分析が専門である三重大学社会連携研究センターの山本好男教授の協力を得ることができ、機器分析に関しては山本教授の指導のもと、機器分析条件確立の迅速化を図る予定である。また、本年度に単離できた成分同定について難航しているため、合法ハーブの成分単離、精製が完了後、成分同定実験と並行して実験動物を用いた合法ハーブの薬物動態学的評価/薬毒物力学的評価の実施にとりかかる。
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