• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2012 Fiscal Year Annual Research Report

SUMO化によるニューロンの生存促進機構

Research Project

Project/Area Number 24890104
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

藤原 一志郎  大阪大学, 蛋白質研究所, 助教 (80638495)

Project Period (FY) 2012-08-31 – 2014-03-31
KeywordsNecdin / SUMO / Neuron / RanBP2
Research Abstract

ニューロン保護作用を持つNecdin蛋白質自身のSUMO化や、Necdin結合蛋白質のSUMO化調節機構について解析を行った。平成24年度は、Necdin自身のSUMO化の可能性に重点を置いて検討した。Necdinは大腸菌を用いた大量発現系において作製が困難であったため、昆虫細胞から調製した無細胞蛋白質合成系を用いたところ、可溶化画分に十分なNecdinを得ることに成功した。この合成したNecdinを用いてin vitro SUMO化反応を行ったところ、NecdinはSUMO化されていた。さらにNecdinのSUMO化E3 ligaseを同定するために、SUMO化E3 ligaseの代表であるPIAS1と、RanBP2のE3 ligase活性ドメインを加えてin vitro SUMO化反応を行った結果、NecdinはRanBP2のE3 ligase部位を加えた場合にのみSUMO化が亢進していた。さらに、NecdinのSUMO化リジンを同定するために、SUMO化コンセンサス配列に該当する288番目のリジンをアルギニンに置換した変異体を無細胞蛋白質合成系で作製し、in vitro SUMO化反応を行った。その結果、288番目のリジンをアルギニンに置換した変異体ではSUMO 化の減少が認められた。しかし完全にSUMO化が消失しなかったことから、288番目以外のリジンもSUMO化を受ける可能性が示唆される。RanBP2は核膜孔複合体を形成する蛋白質であることから、Necdinが核膜に局在するのかを検討するため、培養細胞にNecdinを過剰発現させ、免疫蛍光抗体染色を行った結果、Necdinの一部が核膜に局在していた。これらの知見は、Necdinが細胞内において核膜孔複合体構成因子であるRanBP2と相互作用し、SUMO化を受けることを示唆する重要な知見であると考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

(1) 大腸菌を用いた大量発現系において作製が困難であるNecdin蛋白質を、昆虫細胞上清を用いた無細胞蛋白質合成系で作製することに成功した。次に、in vitro SUMO化反応系を構築し、合成したNecdinを反応させることで、NecdinがSUMO化されることが分かった。
(2) NecdinのSUMO化コンセンサスリジンである288番目のリジンを、アルギニンに置換した変異体を無細胞蛋白質合成系で作製し、in vitroでSUMO化させた結果、SUMO化が著しく減少しており、288番目のリジンが主にSUMO化されることが明らかになった。
(3) SUMO化E3 ligaseはユビキチンと比べ、同定されている数が非常に少ないため、NecdinのSUMO化E3 ligaseの同定には困難が予測されたが、核膜孔複合体構成因子であり、SUMO化E3 ligaseとして機能するRanBP2のSUMO化E3 ligase部位をin vitro SUMO化反応系に加えることで、NecdinのSUMO化が亢進することが分かった。
(4) 培養細胞にNecdinを過剰発現させ、免疫蛍光抗体染色を行うと、Necdinの一部が核膜に局在しており、それはRanBP2と共局在していた。ニューロンについても同様の結果が予想出来、NecdinのSUMO化調節と生物学的意義を核膜孔複合体との関係から明らかに出来ると考えている。
(5) Necdinを介したSUMO化の制御機構については、Huntingtin蛋白質のN末端領域をマウスcDNAライブラリーからクローニングをし、培養細胞に過剰発現させ、Huntingtinが細胞内で凝集することを確認した。現在、Necdin、SUMOと共発現し、凝集を抑制出来るのかの予備実験を行っている。以上の理由から順調に進展していると考えている。

Strategy for Future Research Activity

(1)Necdin蛋白質のSUMO化解析
平成24年度にin vitro SUMO化反応系によりNecdin がSUMO化することを明らかにし、E3 ligaseの同定も行った。よって今後はNecdinが細胞内でもSUMO化されるのかと、その生物学的意義について検討したい。まず神経幹細胞やニューロンの通常状態でNecdinがSUMO化されているかを免疫沈降法により検討する。通常状態でSUMO化されていなければ、細胞障害を薬剤等で引き起こすことで、SUMO化が誘発されるのかを検討する。又in vitro SUMO化反応系において、RanBP2がNecdinのSUMO化E3 ligaseとして機能することが分かったので、ニューロンにおいてRanBP2を、レンチウイルスを用いたRNAiによりノックダウンし、NecdinのSUMO化や発現、細胞内局在が変化するのかを検討するつもりである。今年度中に論文として取りまとめ、学術論文に投稿する予定である。
(2)Necdinを介したSUMO化調節機構
Huntingtin遺伝子のN末端部位はクローニングが済んでいる。今後はNecdinと共に培養細胞に過剰発現させ、NecdinがHuntingtin蛋白質のSUMO化を促進しすることでHuntingtinの凝集を抑制するかを検討するつもりである。又、NecdinのSUMO E3 ligaseとして考えられるRanBP2は、RanGAP1やTopoisomerase IIといった蛋白質のSUMO化を制御することが既に報告されている。そこで、これらの蛋白質のSUMO化制御にNecdinが関与するかについても検討していきたい。

  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] In vitro SUMO化反応系によるNecdinのSUMO修飾解析

    • Author(s)
      (藤原一志郎)、長谷川孝一、江連徹、吉川和明
    • Organizer
      第85回日本生化学会大会
    • Place of Presentation
      福岡・マリンメッセ福岡
  • [Presentation] NecdinによるPGC-1αを介したニューロン内ミトコンドリア生合成の促進

    • Author(s)
      (長谷川孝一)、白石千夏、藤原一志郎、吉川和明
    • Organizer
      第85回日本生化学会大会
    • Place of Presentation
      福岡・マリンメッセ福岡

URL: 

Published: 2014-07-24  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi