2012 Fiscal Year Annual Research Report
ポルフェロモナス ジンジバリスのバイオフィルム形成に関連する遺伝子の役割解析
Project/Area Number |
24890118
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 れいこ 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 特任研究員 (70636133)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | バイオフィルム / ポルフィロモナス ジンジバリス / 遺伝子 / 糖 / 歯学 |
Research Abstract |
本研究は、遺伝子工学的手法を用いてバイオフィルム形成メカニズムの一端を明らかにすることにより、新規のバイオフィルムの制御法の開発の緒を探ることを念頭に、難治性根尖性歯周炎や辺縁性歯周炎の主要病原性細菌の 1 種、Porphyromonas gingivalis ATCC 33277 株のバイオフィルム形成過程において発現量が顕著に変化した遺伝子のうち、転写調節因子をコードし、菌体外マトリックス産生への関与が示唆されている、PGN_0088 のバイオフィルム形成における役割について解析することを目的として実施された。 P. gingivalis ATCC 33277 株の PGN_0088 配列に ERY 耐性カセットを相同組換えにより挿入して PGN_0088 欠損株を作製した。また、PGN_0088 配列を挿入したプラスミドを構築後、上記の欠損株に接合伝達法を用いて導入することにより相補株を作製した。野生株と作製した欠損株ならびに相補株のバイオフィルムを形成し、走査型電子顕微鏡 (SEM) および共焦点レーザー顕微鏡 (CLSM) を用いたバイオフィルムの観察、糖およびタンパク質の濃度測定、ならびに抗生物質感受性の測定により、形成されたバイオフィルムを評価した。 その結果、SEM 観察において、欠損株のバイオフィルムは野生株および相補株に比べ、起伏に富んだ表層構造をしていた。また、CLSM 観察では、欠損株のバイオフィルムは網目様の糖構造を示した。さらに、バイオフィルム中の菌体当りの糖成分の量は欠損株において、野生株および相補株と比べて有意に増加した。 これらの結果より、PGN_0088 は、バイオフィルム中の糖成分の合成を抑制し、バイオフィルムの立体構造に関与していると示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
24年度の実施計画に準じて、研究が順調に遂行されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度の研究実施計画の通り、転写因子である PGN_0088 に制御される遺伝子について調べ、それら遺伝子とバイオフィルム形成の関連性について検討する。
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