2013 Fiscal Year Annual Research Report
包括的かつ組織局所的代謝プロファイリングによる早期大腸がんバイオマーカー探索
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24890127
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
吉江 智郎 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 特命助教 (10631559)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | メタボロミクス / 大腸がん |
Research Abstract |
遺伝的特徴の情報は身体の中で起きている酵素反応の状態に反映されているため、代謝物総体を捉えるメタボロミクスは様々な疾患の診断に有用であると考えられる。そこで、本研究では、糖、アミノ酸、核酸、有機酸、糖リン酸などの親水性代謝物とともに、脂質などの疎水性代謝物を対象としたこれまでに類を見ない包括的な代謝プロファイリングにより、大腸がん特異的な血中代謝産物の変動をパターン解析することを目的とした。質量分析計を用いた血清メタボロミクスを実施することでがんのバイオマーカーを発見するためには、分析手法の感度や精度、観測する代謝物の網羅性が鍵となることから、分析システムの最適化も適宜、進めていき、信頼性の高い大腸がんバイオマーカーとして同定することを念頭にした。大腸がん患者において、液体クロマトグラフ質量分析計を用いた脂質解析では、25種類のホスファチジルコリン、リゾホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルエタノールアミン、あるいは、アシルカルニチン類が、健常人と比較して有意に変動した。液体クロマトグラフ質量分析計を用いたカチオン・アニオン解析では、7種類の代謝物が有意な変動を示すことを明らかにできた。一方、ガスクロマトグラフ質量分析計を用いた血清代謝物解析では、アラニン、サルコシン、バリンなど43種類の代謝物が、有意に変動することが明らかとなった。ヒト大腸組織に関しては、がん部位において、ホスファチジルコリンやホスファチジルエタノールアミンのリゾ体が増加していることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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