2012 Fiscal Year Annual Research Report
陽イオンリポソームを用いた全身投与可能な腫瘍選択的増殖型アデノウイルス製剤の開発
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24890130
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
黒田 新士 岡山大学, 大学病院, 医員 (60633758)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | 腫瘍選択的増殖型アデノウイルス製剤 / ウイルス療法 / 陽イオンリポソーム / ナノテクノロジー / 全身投与 |
Research Abstract |
陽イオンリポソームを用いた全身投与可能な腫瘍選択的増殖型アデノウイルス製剤の開発に関して、当初設定した本年度(平成24年度)の研究計画と現在の進捗状況を以下に示す。 I. DOTAPテロメライシンの作成と質的評価 まず、視覚にてウイルスDNAの遺伝子導入を確認するために、テロメライシンと同様の構造を持ち、細胞への感染後GFP蛍光色素を発現するテロメスキャンのプラスミドDNAを用いて実験を行った。テロメスキャンのプラスミドDNAを複製後、リポソーム遺伝子導入試薬を用いて肺癌細胞株(H1299)に遺伝子導入し、GFP発現の程度を確認し、至適細胞数とDNA量、また時間経過を確認した。 II. in vitroにおける治療効果 H1299に対するテロメスキャンDNAの細胞障害活性を検討するとともに、他の臓器由来の悪性腫瘍細胞株に対する遺伝子導入効率と細胞障害活性も現在検討しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
腫瘍選択的増殖型アデノウイルスのDNAのみをリポソームを用いて細胞に遺伝子導入し、細胞内でウイルスの増殖ならびに細胞障害活性を確認できたことは本研究において重要な一歩である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在のところ概ね予定通り研究が進んでいるので、当初設定した平成25年度の研究計画を以下に示す。 III. in vivoにおける全身投与後のアデノウイルス中和抗体価 IV. in vivoにおける全身投与後の腫瘍および各臓器への分布 V. in vivoにおける治療効果 in vitroで行った細胞障害活性の結果をもとに、適当な悪性腫瘍細胞株を選択し、in vivoの系(皮下腫瘍および同所性移植腫瘍モデル)で上記の項目につき検討を行う予定である。 ただ、ウイルスDNAを内包するナノキャリアに関しては、当初は陽イオンリポソームを用いる予定としていたが、ポリマーなどの他のキャリアも検討しつつ、最終的に最適なものを用いる予定としている。
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