2013 Fiscal Year Annual Research Report
骨肉腫に対する化学療法増感剤としてのウイルス製剤の検証
Project/Area Number |
24890132
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
佐々木 剛 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (90594812)
|
Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
|
Keywords | テロメラーゼ / ウイルス療法 / 骨肉腫 |
Research Abstract |
骨肉腫に対する治療としては主に化学療法と外科的切除による集学的治療が行われている。骨肉腫において化学療法に対する抵抗性獲得は重要な予後規定因子である。我々はテロメラーゼ依存性腫瘍融解アデノウイルス(OBP-301)の骨肉腫細胞に対する有効性を確認した。本研究では骨肉腫に対する化学療法の効果増強を目指し、両者の併用効果とその分子機序について解析を行った。4種類のヒト骨肉腫細胞株(HOS、MNNG/HOS、143B、SaOS-2)を用いて検討を行い、抗がん剤はシスプラチン及びドキソルビシンを使用した。4種類すべての骨肉腫細胞株において、OBP-301と抗がん剤の併用投与にて抗腫瘍効果の相加・相乗効果を認め、OBP-301は抗がん剤によるアポトーシスの誘導を増強した。抗がん剤によるOBP-301の増殖抑制は認めなかった。OBP-301は抗アポトーシス蛋白であるMcl-1の発現を著明に抑制したが、他のBcl-2ファミリー蛋白(Bax、Bak、Bim、Bcl-2、Bcl-xL)の発現に明らかな変化は認めなかった。またMcl-1 siRNAによりMcl-1発現を抑制すると、OBP-301と同様に抗がん剤によるアポトーシスの誘導が増強された。ルシフェラーゼを導入したMNNG/HOS(MNNG/HOS-Luc)を用いて作成したマウス背部移植腫瘍モデルでは、OBP-301と抗がん剤の併用群は単独群と比較して有意に腫瘍増殖を抑制した。悪性腫瘍において抗アポトーシス蛋白の発現増強と化学療法抵抗性との関連が指摘されているが、骨肉腫細胞においてOBP-301は抗アポトーシス蛋白Mcl-1の発現抑制を介して抗がん剤の感受性を亢進させる可能性が示唆された。本研究によりOBP-301と化学療法の併用療法が骨肉腫に対する新しい治療戦略となることが期待される。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|