2012 Fiscal Year Annual Research Report
シェーグレン症候群の疾患特異的microRNAの同定とその治療応用
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24890165
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
岩本 直樹 長崎大学, 大学病院, 助教 (80437897)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | シェーグレン症候群 / microRNA / 関節リウマチ / MTX |
Research Abstract |
研究計画に基づき、口唇小唾液腺生検にて得られた唾液腺細胞を培養し、microRNA(miR)を含むRNAの抽出を行った。研究開始初期には細胞のviabilityの問題があり、RNA収集は計画よりも遅滞しており、現在までに十分なRNAを抽出したサンプルは2例のみである。また、シェーグレン症候群(SS)以外の口腔内乾燥症状を呈する患者の唾液腺細胞の収集も計画しているが、予想に反し症例の集積が困難であり、現在のところ症例を得られていない。そこで、SSのバイオマーカーとしての疾患特異的microRNAの有用性を並行して研究することとし、SS患者および健常ボランティア血清からのmicroRNA抽出を試みる予定とした。現在SS症例集積中であり、集積後にmicroRNAを抽出し、血清中のmicroRNAのプロファイリングを行う予定とした。上記の理由によりSS唾液腺細胞および非SS唾液腺細胞でのmicroRNA発現プロファイリングが困難であったため、予備実験としてSSと同様の自己免疫疾患である関節リウマチ(RA)患者の滑膜線維芽細胞を用い、メトトレキサート(MTX)によるmicroRNAの発現修飾の解析をおこなった。MTXを1uMの濃度で48時間処理した滑膜線維芽細胞(n=4)を用い、microRNAアレイによる網羅的解析をおこなった。Control群にくらべ、MTX処理群ではmiR-4257、miR-188-5pが著明に減少しており、miR-3679-3p、miR-1229の発現上昇を認めた。RA滑膜線維芽細胞においてMTXはmicroRNAの発現変動を介し、RA抑制的に働いている可能性が示唆された。MTXはRA治療において根幹をなすものだが、その滑膜線維芽細胞における効果は解明されておらず、本予備実験がMTXの作用機序およびRA病態の解明につながる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
症例集積不良および唾液腺細胞のviability不良により、唾液腺細胞からのRNAの収集が遅延しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
口唇生検由来唾液腺細胞からのRNA収集遅延(細胞のviability不良による)および、非SS患者の口唇生検例集積不良のため、比較的収集が容易であるSSおよび健常人血清でのmicroRNAプロファイリングを並行して行い、SS特異的microRNAの抽出を行う予定とする。また、唾液腺細胞でのmicroRNA発現については、非SS患者からの唾液腺細胞入手が困難であれば、SS症例内でのHTLV-1感染の有無や唾液腺細胞浸潤gradeでの層別解析を優先して行っていく。
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Research Products
(3 results)