2012 Fiscal Year Annual Research Report
口腔扁平上皮癌における薬剤耐性機構の解明と新規治療薬の開発
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24890174
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
永田 将士 熊本大学, 医学部附属病院, 医員 (10635791)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | 交差耐性機序 |
Research Abstract |
1.他の5-FU耐性株におけるIAP family発現および耐性への関与の確認:既に報告を行った5-FU耐性株の他に樹立した5-FU耐性口腔扁平上皮癌細胞株であるCa9/FRにおいてIAP群の有意な発現上昇認められなかった。以上の結果は昨年度の第71回日本癌学会学術総会にて発表した。 2.cIAP2発現上昇による5-FU耐性獲得ならびにCDDP交差耐性獲得:以前より確認していた5-FU耐性株のCDDPとの交差耐性について、IAP高発現細胞株を樹立し、IAP群との関連を調べた結果、cIAP1ならびにcIAP2強制発現細胞において5-FUならびにCDDPへの有意な感受性低下を認めた。また、その機序としてアポトーシス抑制が挙げられた。以上の結果は昨年度の第71回日本癌学会学術総会、17thWorld Congress on Advances in Oncologyにて発表した。 3.マイクロアレイ解析による新規耐性因子の網羅的検索:以前解析した2つの5-FU耐性口腔扁平上皮癌細胞株とそれぞれの親株のmicroRNAアレイの結果を再検討した結果、共通して発現上昇しているmiRNAを発見した。この因子は、細胞周期制御に関わっており、分裂期への移行阻止による剤耐獲得の可能性が示唆された。以上の結果は本年度の第72回日本癌学会学術総会にて発表予定である。 4.CDDP耐性株のマイクロアレイ解析:以前樹立したCDDP耐性口腔扁平上皮癌細胞株を用いたマイクロアレイ解析の結果、以前報告を行った5-FU耐性関連因子であるcIAP2の有意な発現上昇を認め、CDDP耐性機序としてのCaspase活性抑制ならびにアポトーシス抑制を確認し、また、cIAP2の発現を抑制したCDDP耐性株において有意な感受性上昇を認めた。以上の結果は本年度の第37回日本頭頸部癌学会、第72回日本癌学会学術総会にて発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、現在研究結果も蓄積されてきており、適宜学会発表を行い、結果をまとめている。論文作成にむけ、さらなる研究の追加と英文校正を行っていく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究により、口腔扁平上皮癌細胞株における複数の抗がん剤の交差耐性機序が明らかになりつつある。さらなる裏付けの研究を行い、種々の化学療法を行った患者検体を使用し、交差耐性因子の発現を確認する予定である。 また、当初の計画通り、阻害剤の作製も視野に入れていく必要があると考えられる。
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Research Products
(5 results)