2012 Fiscal Year Annual Research Report
新生児集中治療室における保育器内環境整備と保育器交換・消毒方法に関する検討
Project/Area Number |
24890182
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
笹田 麻由香 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教 (40635455)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | 保育器交換 / 新生児集中治療室 / 保育器 / 常在細菌叢 / 感染予防 |
Research Abstract |
この研究では、保育器内部における細菌の付着状態と新生児が生後に獲得する細菌の付着状態の動向を把握し、保育器清掃・保育器交換・消毒方法の時期や方法に関するエビデンスを得ることを目的としている。そのための基礎データとして、保育器内部と新生児の皮膚表面の細菌培養検査が必要であり、平成24年度は、データ収集の準備として、文献検索および、検体採取の具体的方法や研究の倫理的側面に関して検討した。先行研究では、保育器と新生児から共通して、MRSE、Enterococcus、MRSAが検出されたとの報告があり、本研究においても同様の結果となる可能性がある。また、高温・多湿環境であることからも病原菌が検出される可能性が高い。これらのことを考慮すると、研究協力施設の協力を得ても、新生児の皮膚から病原菌が出た際の対応に関し、倫理的側面を十分考慮した対応を行うことが現時点では困難である。 そこで今回は、新生児の常在細菌叢の動向に着目するのではなく、高温・多湿環境における閉鎖式保育器内部の細菌の有無、種類や増殖状態の実態に焦点をしぼり、詳細に調査する。研究対象を閉鎖式保育器および当保育器に収容した新生児人形とし、研究責任者の施設内にてNICUの模擬空間を作成し、保育器内部と新生児人形の細菌培養検査(菌種の同定・定量)を行う。また、清掃を行う群と行わない群に分け、保育器の清掃の効果に関して比較検討することとし、平成25年度4月よりデータ収集を開始することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データ収集を開始するにあたり、研究協力施設の倫理委員会および関係部署と研究方法に関する議論を行った。その結果、研究対象および研究方法について修正を行う必要性が生じ、データ収集の準備段階で時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
新生児の常在細菌叢と保育器内部の細菌叢の動向を把握するためには、病原菌が検出された際の対応に関して十分検討し、今後、万全の対策を立てた上で行う必要がある。 今回は、研究目的を遂行するための基礎データとして、高温・多湿環境における閉鎖式保育器内部の細菌の有無、種類や増殖状態の実態に焦点をあて、詳細な調査を行う。そのため、研究対象を閉鎖式保育器および当保育器に収容した新生児人形とする。また、研究責任者の施設内にてNICUの模擬空間を作成し、保育器内部と新生児人形の細菌培養検査(菌種の同定・定量)を行う。また、清掃を行う群と行わない群に分け、保育器の清掃の効果に関して比較検討することとし、平成25年度4月よりデータ収集を開始することとする。
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