2012 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄損傷後の大脳皮質での神経回路の可塑性における逆行性軸索輸送の機能の解明
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24890198
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
大原 亮 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80636986)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | 脊髄損傷 / 神経回路の再構築 / retrograde tracer |
Research Abstract |
まず、脊髄損傷後の大脳皮質運動野での神経回路の形態学的変化を免疫染色を用い確認することを目的とした。大脳皮質運動野第V層の錐体神経細胞をretrograde tracerを用いてlabellingする為に、まずコントロール実験として、生後7日のWistar ラットを用い、その頸髄にretrograde tracerである、GFP microsphere、fluoro gold、Alexa Flour 488をconjugateしたCholera Toxin Bをガラス針を使用し、各々注入した。注入1週間後の生後14日目にマウスを還流固定し、大脳皮質運動野の切片化を行った。その結果、GFP microsphereよりも、Fluoro goldやAlexa Flour 488をconjugateしたChorela Toxin Bを用いた方が、大脳皮質錐体神経細胞の描出は良好であり、細胞体、神経突起を確認することができた。 この結果から、脊髄損傷ラット、マウスでの大脳皮質運動野錐体神経細胞の形態学的変化を免疫染色を用いて検討する際に、錐体神経細胞の同定にFluoro goldやAlexa Flour 488をconjugateしたChorela Toxin Bを使用する手法が確立された。 脊髄損傷モデルラットを作成し、損傷部より同様の手法で用いFluoro goldあるいはAlexa Flour 488をconjugateしたChorela Toxin Bで錐体神経細胞をラベルし、損傷後(6時間、1日、3日、7日、14日後)の錐体神経細胞の形態学的変化を、軸索、樹状突起のマーカーであるTau-1,MAP2の抗体を用いた免疫染色にて、評価検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定よりやや遅れている理由として、研究以外のその他の業務により、実験に従事できる時間が予定よりやや少なかったことが考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
胸椎レベルで背側椎弓切除術を施行し、脊髄損傷モデルラットを作成し、損傷部より同様の手法で用いFluoro goldあるいはAlexa Flour 488をconjugateしたChorela Toxin Bで錐体神経細胞をラベルし、損傷後(6時間、1日、3日、7日、14日後)の錐体神経細胞の形態学的変化を、軸索、樹状突起のマーカーであるTau-1,MAP2の抗体を用いた免疫染色にて、評価検討する予定である。その結果から大脳皮質での神経回路の変化が生じる時期を同定できれば、2光子顕微鏡で脊髄損傷後の大脳皮質第V層の錐体神経細胞を観察し、タイムラプスイメージングで軸索新生の有無を検討する。 また、dynactinのサブユニットの一つであるdynamitin(p50)を標的タンパクとしたCALI法により逆行性軸索輸送を阻害し、脊髄損傷後の大脳皮質レベルでの神経回路可塑性への影響について、大脳皮質運動野での錐体神経細胞の形態学的変化を検討する。さらに、p-stat3 活性を、免疫組織染色、western blotting法を用い経時的、空間的に検討し、損傷シグナルとして逆行性に運ばれていることを検討する。
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Research Products
(1 results)