2012 Fiscal Year Annual Research Report
Src-p130 Axisによる破骨細胞の機能発現機構の解明
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24890214
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
大澤 賢次 九州歯科大学, 歯学部, 研究員 (70638238)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | 骨代謝 / 骨吸収 / 破骨細胞 / 細胞内情報伝達 / c-Src / p130 Cas |
Research Abstract |
細胞骨格の再構成に重要な因子であるp130Casは、破骨細胞の骨吸収に必須の分子c-Srcの下流分子として骨吸収能を制御すると考えられているが、その詳細な分子メカニズムは不明である。本研究の目的は、破骨細胞の骨吸収におけるSrc-p130Cas axisの役割について個体レベルで検証し、分子レベルで解明することである。 本年度はまず、① 破骨細胞特異的p130Cas遺伝子欠損(p130Cas cKO)マウスの表現型を解析し、② 上記のマウス由来骨髄細胞を破骨細胞へと分化させ、破骨細胞への分化能および骨吸収能について解析した。 ①野生型マウスおよびp130Cas cKOマウスの大腿骨と脛骨を摘出し、骨形態計測および組織学的解析を行ったところ、p130Cas cKOマウスでは野生型マウスと比較して、破骨細胞数が増加しているにも関わらず、著しく骨量が増加していることから、破骨細胞の骨吸収障害による大理石骨病を呈すると考えられた。 ②各マウスの骨髄細胞を調製し、破骨細胞を誘導して、抗p130Cas抗体を用いたウェスタンブロッティングおよび免疫染色を行ったところ、p130Cas cKOマウス由来の破骨細胞ではp130 Casの発現が減少していることを確認した。さらに各マウス由来の破骨細胞に酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ(TRAP)染色および骨吸収の指標となるアクチンリングを染めるファロイジン染色を行ったところ、p130Cas cKOマウス由来の破骨細胞ではアクチンリングを持つTRAP陽性破骨細胞の割合が著しく減少し、吸収窩の形成も抑制された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した実験が当初計画したとおりのスケジュールで進んでおり、仮説に合致した結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は主にp130Cas cKOマウスの骨形態解析が中心であったが、来年度はこのマウス由来の細胞を用いてp130Casの下流分子など、骨吸収能が抑制されるメカニズムについて詳細に検討する予定である。 また研究計画調書に記載したように、p130Casと相同性の高いCasLの遺伝子欠損マウスとp130Cas cKOマウスとを交配し、表現型について現在解析を行っているところである。
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[Journal Article] Disruption of NF-κB1 prevents bone loss caused by mechanical unloading.2013
Author(s)
Nakamura H, Aoki K, Masuda W, Alles N, Nagano K, Fukushima H, Osawa K, Yasuda H, Nakamura I, Mikuni-Takagaki Y, Ohya K, Maki K, Jimi E
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Journal Title
J Bone Miner Res.
Volume: in press
Pages: in press
DOI
Peer Reviewed
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