2012 Fiscal Year Annual Research Report
インフラマソームの生活習慣病の病態における役割の解明とその新規制御法の確立
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24890217
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
唐澤 直義 自治医科大学, 医学部, ポストドクター (60631893)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | 自然免疫 / 慢性炎症 / インフラマソーム / 動脈硬化 / インスリン抵抗性 |
Research Abstract |
無菌性の炎症を制御する分子複合体であるインフラマソームはさまざまな脂質分子や結晶を危険シグナルとして認識し, カスパーゼ1を活性化し, 慢性炎症の起点となることで代謝性疾患の発症に関わることが明らかになってきた. 本研究は, ①インフラマソームの活性を制御する新規の経路を見出し, ②インフラマソーム抑制が代謝応答, 炎症の収束, 代謝性疾患の病態に及ぼす影響を明らかにすることで, インフラマソームの制御をメタボリックシンドローム治療へ応用することを目的としている. 本年度はインフラマソームの活性を制御しうる新たな経路としてカスパーゼ1のホモログ分子群であるCOPsと呼ばれる分子群に着目し, そのインフラマソーム活性調節における役割を検討してきた. 遺伝子発現の解析からカスパーゼ1と類似した発現分布を示す2種類のCOPsを見出した. さらにCOPs遺伝子をレンチウイルスベクターに組み込み, ヒト単球培養細胞であるTHP-1に導入し, インフラマソーム活性調節におけるCOPsの役割の解析を行なった所, 2種の遺伝子のうち一方がインフラマソームの活性化を抑制することを明らかにした. 今後, COPsのさらなる機能解析を進めるとともに, これら遺伝子を導入した骨髄細胞を移植することで、血球細胞に特異的にCOPsを発現するマウスを作製する. これにより, 個体レベルでのCOPs分子のインフラマソーム制御における役割を明らかにするとともに, 動脈硬化硬化モデルであるApoe欠損マウスや食餌性の肥満モデルを用いて, COPsの代謝性疾患の病態の進展に及ぼす影響について解析する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度までの研究経過については当初の研究計画と比較し, 概ね順調に進んでいる. 問題点は, 今年度より解析を予定する代謝性疾患の病態モデルの作製についてマウスの繁殖が予想に比べて悪かったため, やや計画に遅れが生じている. しかしながら, 細胞レベルの検討についてはCOPs分子群の解析において新たな知見が得られ, 現時点においては計画に先行して検討を進めていることができている.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度についても当初の計画に基づき, 計画を遂行していく予定である. ただし, 研究推進の効率化のため, 新たなインフラマソームの制御経路を見出すスクリーニング研究においては, 有用な結果が得られ次第, そのさらなる解析により重点を置いて研究を進める.
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Research Products
(1 results)