2013 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性疾患を重篤化させるHMGB1-IL‐1β複合体の形成様式と立体構造の解明
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24890263
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
杉木 俊彦 大阪大学, たんぱく質研究所, 招へい研究員 (70635698)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | 構造生物学 / HMGB / IL-1 |
Research Abstract |
HMGB1はクロマチン構造の形成などに重要な関与をする転写補助因子であるが、ネクローシスなどの細胞死に伴って細胞外へ漏出したHMGB1は、周囲の細胞に対して炎症性応答を惹起する活性も有することが知られている。さらに近年、HMGB1が細胞外において炎症性サイトカインIL-1βと相互作用し、その複合体がIL-1β受容体を介した炎症性応答をIL-1β単独の場合よりも増強することが報告されている。そこで本研究は、NMR分光法などの構造生物学的手法を主な解析手段とし、HMGB1-IL-1β複合体の形成様式を分子レベルで解明することにより、複合体形成による炎症性応答憎悪のメカニズムを解明することを目的とする。これはIL-1βによる炎症を抑える効果的な薬剤の創製に繋がる点で有意義な研究課題である。 HMGB1とIL-1βの相互作用の親和性や結合部位などを明らかにするため、組換えHMGB1タンパク質と組換えIL-1βタンパク質を大腸菌発現系にて大量発現させ、各種クロマトグラフィーにより高純度に精製した。そのHMGB1タンパク質もしくはIL-1βタンパク質のどちらか片方を蛍光色素で標識し、蛍光標識タンパク質にもう一方のタンパク質を滴定して蛍光偏光解消度測定法を行った。滴定の添加量依存的な蛍光偏光解消度は弱く、HMGB1タンパク質とIL-1βタンパク質の相互作用のかい離定数はミリモーラーオーダーのかなり弱いものであることが判明した。現在、NMR分光法により、HMGB1とIL-1βの相互作用界面を同定し、その結果を用いた分子動力学的計算により両者の複合体の形成様式を解析することを試みている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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