2012 Fiscal Year Annual Research Report
膜透過ペプチド経鼻併用投与による新規アルツハイマー病治療薬の脳内デリバリー
Project/Area Number |
24890281
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
亀井 敬泰 神戸学院大学, 薬学部, 講師 (40637451)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | バイオ医薬品 / 脳デリバリー / 膜透過性ペプチド / アルツハイマー病 / インスリン |
Research Abstract |
難治性中枢疾患であるアルツハイマー病の薬物治療を向上させるためには、病態の解明と中枢への薬物動態制御が重要な課題となる。本研究では、アルツハイマー病の病態に関わる新規治療候補薬物としてインスリンに着目し、膜透過性ペプチド (Cell-penetrating peptides: CPPs) を併用した経鼻投与法により効率的にインスリンを脳内へと送達し、その結果アルツハイマー病治療効果を増大させることを目的としている。初年度はまず、インスリン脳デリバリーにおける経鼻ルートの有用性を評価するために、インスリンをマウスに経鼻投与した後の血中および脳への移行性を比較した。さらに、代表的CPPであるpenetratinの併用により経鼻投与後のインスリン分布特性、特に脳移行効率が向上しうるかを検討した。これらの結果、インスリン静脈内投与時と比較して、経鼻投与により血中への吸収に対する脳へのインスリン移行比率が顕著に高まることを明らかにした。L体アミノ酸から構成されるL-penetratinを併用した場合には血中へのインスリンの吸収が顕著に促進されるのに対し、D-体アミノ酸から成るD-penetratinは血中吸収よりも脳へのインスリン移行を効果的に高めることを可能にした。このことより、中枢へのインスリンの送達を高めることを目的とした場合、L-penetratinよりもD-penetratinが有用であることが示唆された。さらに、インスリンおよびpenetratin経鼻投与後のマウス脳を細分化解析した結果、脳全体に効率的にインスリンを分布させることが可能であった。特に、D-penetratin経鼻併用投与によりアルツハイマー病の病態に関わる海馬へのインスリン移行が増大したことから、本疾病に対する薬物治療に貢献しうる有効な手法となる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(2 results)