2012 Fiscal Year Annual Research Report
Schnurri-3を介した免疫応答制御機構の解明
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24890297
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Research Institution | 独立行政法人国立国際医療研究センター |
Principal Investigator |
関 陽一 独立行政法人国立国際医療研究センター, 免疫制御研究部, 上級研究員 (80637059)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | 免疫学 / シグナル伝達 / Schnurri-3 / ヘルパーT細胞 |
Research Abstract |
Shn-3を介した免疫応答制御機構を解明するため、本年度では以下の研究結果を得た。 1) T細胞特異的Shn-3欠損マウスにTh2免疫応答を起こす抗原や寄生虫卵抗原を免疫し、これら抗原に対する免疫応答を解析したところ、T細胞特異的Shn-3欠損マウスでは野生型マウスに比べIL-4やIL-5などのTh2サイトカインの産生および抗原特異的IgG1およびIgEの産生などのTh2免疫応答が顕著に減少していた。また、Shn-3欠損CD4T細胞ではAP-1のDNA結合能が減少している事が原因で初期刺激におけるIL-4産生の減少が示唆されていた事から、Shn-3欠損CD4T細胞におけるAP-1遺伝子であるc-jun, JunbのmRNAの発現量を定量的PCRを用いて検討を行ったが、野生型CD4T細胞とShn-3欠損CD4T細胞との間でこれら遺伝子のmRNAの発現量に差は認められなかった。これらの事から、Shn-3はAP-1分子の安定性を高めることでIL-4産生を促進する可能性が示唆された。 2) B細胞や自然免疫細胞におけるShn-3の役割解析を行うため、これら細胞特異的的Shn-3欠損マウスのラインを確立するため、B細胞特異的にCreを発現するCD19-Cre Tgマウスと交配を行い、あと一度交配を進める事でB細胞特異的Shn-3欠損マウスのラインを確立する所まで来ている。自然免疫細特異的Shn-3欠損マウスのライン確立は現在進行形である。 3) TGF-βシグナルにおけるShn-3の機能を解析するため、TGF-βが分化誘導に必須なiTreg細胞への分化誘導の系を用い、TGF-βシグナルにおけるShn-3の役割の解析を行ったが、野生型CD4T細胞とShn-3欠損CD4T細胞との間で差は認められなかった事から、Shn-3はT細胞においては TGF-βシグナルに関与しない可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
T細胞特異的Shn-3欠損マウスを用いたin vivo及びin vitroの研究計画はおおむね順調に進み、結果を得る事が出来た。また、もう少しでB細胞特異的Shn-3マウスのラインを確立する事ができ、自然免疫細胞特異的Shn-3欠損マウスのライン確立も現在進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
さらなるShn-3を介した免疫応答制御機構を解明するために早急にB細胞や自然免疫細胞特異的Shn-3欠損マウスのライン確立を行う。ラインを確立したのち、フローサイトメーターや分子生物学的手法を用い、これまで明らかでないB細胞や自然免疫細胞におけるShn-3の免疫応答に対する機構を明らかにする。
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