2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24915002
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Research Institution | 愛知県立岡崎工業高等学校 |
Principal Investigator |
井上 満 愛知県立岡崎工業高等学校, 公立高等学校教諭
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 実験誤差 / 実験コスト / 作業効率 |
Research Abstract |
平成13年より,高校生ものづくりコンテスト全国大会が始まった。高校生が取り組んでいるものづくりの学習成果の発表の場として,全国の高校生が一堂に会して,技術・技能を競い合うというものづくりの甲子園である。当コンテストの化学分析部門は2時間30分の制限時間内にガラス計量器具を用いて化学分析作業を行うというものである。しかし,コンテストにおけるガラス計量器具の使用方法をめぐって,全国の高校指導者(教員)においてもさまざまな違いがみられ,コンテストの指導・審査方法をめぐり全国的な議論が起こっている。本研究では,さまざまな操作方法がなされているガラス計量器具の操作方法に関するアンケート調査を実施した。全体の結果としては,どの質問項目についても回答にばらつきが見られることが確認された。したがって,その機関によっても手法が異なっている可能性もあると考えられる。また,可能な限り誤差を小さくする方法を選択する傾向があることは間違いないが,誤差が発生しにくい部分ではなるべく作業効率の高い方法を選択する傾向があることも確認された。実験誤差を最小化することはもちろん重要ではあるが,作業効率が求められる環境も決して少なくはない。学校の授業の実験では授業時間という時間制約が存在し,化学分析に関係する事業所でも納期という時間制約が存在する。したがって,実験誤差と作業効率のバランスを上手く取ることが求められていると考えられる。さらに,実験のコストを低下させることも求められていることがわかった。このことについても,学校では実験に割り当てられる予算は限られているし,事業所でも利益の最大化を図るためにはロストを低減させることが重要となる。したがって,「実験誤差の低減」,「実験コストの低減」,「作業効率の向上」のバランスを考慮しつつ実験を行なっているということがわかった。
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