2024 Fiscal Year Annual Research Report
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24H00415
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| Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
西堀 英治 筑波大学, 数理物質系, 教授 (10293672)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末國 晃一郎 九州大学, 総合理工学研究院, 准教授 (10582926)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2028-03-31
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| Keywords | 量子結晶学 / 熱電変換材料 / HAR / XCW / 放射光 |
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、以下を期間内の目標として研究を進めている。X線回折を用いて化学結合、電子分布、格子振動、欠陥構造を包括的に明らかにできる「量子結晶学」を、多結晶を含む熱電変換材料に適用し、高い電気伝導性と低い熱伝導性という矛盾する特性を両立する構造の詳細を解明する。本研究で得られる電子系と格子系の詳細な情報は、球対称の原子を用いた解析法により得られた従来の結晶構造や、欠陥構造が仮定された結晶構造に基づいて計算された電子構造や格子振動と比較して、実物質の本質を顕在化させる。こうして、得られた知見を物質合成にフィードバックして材料の高性能化を実現する。本研究成果は、機能性物質に対する量子結晶学を基盤とした研究のベンチマークとなり、構造研究を深化させる。 本年度は、量子結晶学に必須の単結晶X線回折、粉末X線回折の研究を進めるとともに、熱電変換材料の新材料開発や構造解析の研究を精力的に進めた。アルジロダイト化合物において、ケージ構造を有しないにもかかわらずAgがラットリング構造を持つことを突き止めることに成功した。また、銅硫黄系の熱電変換材料について複数の新材料の発見と機能開拓を行った。 また、量子結晶学分野では、量子結晶学をメイントピックとするIUCrの量子結晶学委員会主催の国際会議SAGAMORE2024にて、単結晶構造解析の技術的な内容の招待講演を行った。また、量子結晶学のデータ測定に関連する論文を国際結晶学連合の雑誌に投稿し受理された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、計画通りにSPring-8のマシンタイムを確保することに成功し予定通りの実験を進めることに成功した。SPring-8での実験では、マシンタイムの利用技術および試料の準備技術について本経費で購入した機器等を効果的に利用することで大幅な効率化を実現し、計画通りの実験を行うことに成功している。この点で実験にかんする計画は順調に進んでいる。 データ解析については、HARやXCWの解析技術を高めるとともに複数の論文を投稿中もしくは執筆中の状況にあり、解析技術にも大幅な進展が見られている。精度検証のために測定したデータの提供を量子結晶学委員会の委員長から求めらるなど、国際的にグループの認知度も十分に高まってきた。量子結晶学の国際会議SAGAMORE2024においては多くの量子結晶学の研究者と交流を深めることにも成功した。この交流と成果に基づき、3年に1度開催される国際結晶学連合会合の量子結晶学委員会が主催するセッションの1つのCo-Chairにも選ばれている。この中では熱電変換材料を含む無機物質系の量子結晶学的研究を対象とすることが決まっており、本研究の内容に完全に合致している。 熱電変換材料開発についても、九大グループとの緊密な共同研究によって複数の論文発表や成果発表が行われており当初の想定通り順調に推移している。国際連携による熱電材料の共同研究も積極的に進められており、九大を経由してのフランスや代表者のグループの中国、デンマークとの共同研究など複数の共同研究が進められている。
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| Strategy for Future Research Activity |
これまでの実績に基づき、入念な準備のもと複数回の申請でやっと採択された課題であるため、進み始めるとほぼすべてが計画通りに進んでいる。量子結晶学の手法開発の研究、実材料への応用研究、測定手法の開発研究、高性能熱電材料の物質創製研究が有機的に絡み合って進められている。 最大の課題は、ほとんどが開発研究であるため、試行錯誤の繰り返しが必須となり手間と時間を要するためのマンパワー不足である。例を具体的に述べると以下の通りとなる。 量子結晶学の手法開発では、測定したデータを量子結晶学の手法で解析する。一般に測定データをそのまま入力して量子結晶学の解析を行うことはできないため、データを処理し最終的に各Bragg反射の結晶構造因子の形で抽出する必要がある。この構造因子抽出のプロセス1つとってもバックグラウンド散乱の取り扱い方法の検討、ピーク形状を表す関数系や解析の方法の検討、検出器の不良領域の処理方法の検討、など複数の検討事項が存在する。データの誤差が数%まで許容される一般的な構造解析では、全自動で進められるこのプロセスを誤差1%以下の量子結晶学の解析に使えるようにするために、人を介した判断と検討が不可避となっている。自動解析ソフトの構築等は代表者も実績があり、1時期ソフト販売もしていたが、このテーマで要求されるデータの取り扱いでの全自動化は見込みが薄い状況である。また、分野での論文執筆や学会発表でもこうしたデータの取り扱いは注目の的であり議論が激しく交わされる部分でもある。 今後は、全自動は無理でもプロセスごとの部分的な自動化を検討するとともに、技術補佐員の雇用などマンパワーの拡充を検討する。
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[Presentation] Atomic Scale Structure of 2D Atomic Layer Materials, WSe2 and Graphene, Using SR Micro-Focused X-Ray Beam.2024
Author(s)
Y. Ogawa, H. Kasai, M. Sakano, S. Akatsuka, K. Ishizaka, T. Matsunaga, H. Ago, E. Nishibori,
Organizer
AsCA2024
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[Presentation] Serial Femto-second Crystallography of simple inorganics with CCTBX.2024
Author(s)
K. Ota, T. Galica, S. Takahashi, T. Fujita, H. Kasai, M. Sugahara, J. Kang, I. Inoue, L. J. Stockler, B. B. Iversen, E. Nishibori,
Organizer
AsCA2024